はじめに
近年、高齢化の進展に伴い「家族信託」に注目が集まっています。
特に、
✅ 認知症対策をしたい
✅ 不動産管理を子どもに任せたい
✅ 相続でもめないようにしたい
✅ 親亡き後の財産承継を決めておきたい
という方からのご相談が増えています。
しかし、家族信託は契約書を作れば終わりではありません。
実は、
🔴 契約前の準備が成功の8割を決める
と言っても過言ではありません。
今回は、家族信託契約を進める前に準備しておくべきポイントを詳しく解説します。
🟦 そもそも家族信託とは?
家族信託とは、
財産を持っている方(委託者)が、信頼できる家族(受託者)に財産管理を任せる制度
です。
イメージ図
| 役割 | 人物 |
|---|---|
| 委託者 | お父様 |
| 受託者 | 長男 |
| 受益者 | お父様 |
例えば、
父親が認知症になった場合でも、長男が信託された財産を管理できるようになります。
🟨 事前準備① 家族信託をする目的を明確にする
まず最初に行うべきことは、
「なぜ家族信託をするのか」
を明確にすることです。
目的によって契約内容が大きく変わります。
主な目的
| 目的 | 内容 |
|---|---|
| 認知症対策 | 財産凍結を防ぐ |
| 不動産管理 | 賃貸経営や売却を任せる |
| 相続対策 | 承継先を決める |
| 二次相続対策 | 配偶者死亡後の承継も決める |
| 障がいのある子の支援 | 長期的な財産管理 |
📌目的が曖昧だと契約内容も曖昧になります。
🟩 事前準備② 財産を洗い出す
次に行うのが財産調査です。
主な財産
🏠 不動産
- 自宅
- アパート
- 駐車場
- 空き家
💴 預貯金
- 普通預金
- 定期預金
📈 有価証券
- 株式
- 投資信託
🚗 その他
- 自動車
- 貴金属
- 貸付金
財産一覧表を作る
おすすめです。
| 財産 | 内容 | 概算評価 |
|---|---|---|
| 自宅 | 千葉県〇〇市 | 2,000万円 |
| 預金 | ○○銀行 | 500万円 |
| 株式 | ○○証券 | 300万円 |
後の打ち合わせが非常にスムーズになります。
🟧 事前準備③ 信託財産を決める
ここは誤解されやすい部分です。
⚠️全財産を信託する必要はありません。
例えば、
| 財産 | 信託する? |
|---|---|
| 自宅 | ○ |
| アパート | ○ |
| 預金500万円 | ○ |
| 別の貯金口座 | × |
という設計も可能です。
目的に応じて決定します。
🟪 事前準備④ 受託者を選ぶ
受託者選びは家族信託最大のポイントです。
受託者は非常に大きな権限を持ちます。
そのため、
✅ 誠実
✅ 金銭感覚がしっかりしている
✅ 家族から信頼されている
ことが重要です。
よくある受託者
| 順位 | 受託者 |
|---|---|
| 1位 | 長男 |
| 2位 | 長女 |
| 3位 | 配偶者 |
| 4位 | 次男 |
🟥 事前準備⑤ 家族間で話し合う
実務上もっとも重要です。
家族信託は法的には可能でも、
家族が納得していないと後でトラブルになります。
特に、
⚠️ 他の兄弟姉妹
⚠️ 相続人
には事前説明をおすすめします。
説明する内容
- なぜ家族信託をするのか
- なぜ受託者が長男なのか
- 相続時はどうなるのか
- 不動産はどうするのか
🟦 事前準備⑥ 必要書類を集める
不動産がある場合
| 書類 | 取得先 |
|---|---|
| 登記事項証明書 | 法務局 |
| 固定資産税評価証明書 | 市役所 |
| 公図 | 法務局 |
| 地積測量図 | 法務局 |
本人確認書類
| 書類 | 必要者 |
|---|---|
| 印鑑証明書 | 委託者・受託者 |
| 住民票 | 必要に応じて |
| 運転免許証 | 本人確認 |
🟩 事前準備⑦ 信託終了後を考える
意外と見落とされます。
家族信託は
「始まり」
より
「終わり方」
が重要です。
例
父死亡後
⬇
母へ承継
⬇
母死亡後
⬇
長男へ承継
このような二次承継以降まで設計できます。
🟨 事前準備チェックリスト
| 項目 | 確認 |
|---|---|
| 家族信託の目的を決めた | □ |
| 財産一覧を作成した | □ |
| 信託財産を決めた | □ |
| 受託者を決めた | □ |
| 家族へ説明した | □ |
| 必要書類を収集した | □ |
| 信託終了後を検討した | □ |
💡 行政書士からの実務アドバイス
家族信託は契約書作成がゴールではありません。
実際には、
🔵 家族構成
🔵 財産構成
🔵 将来の相続
🔵 認知症リスク
を総合的に考えて設計する必要があります。
特に預貯金を信託財産にする場合は、金融機関ごとの運用ルールも考慮しなければなりません。
また、不動産が複数ある場合や二次相続まで考える場合には、専門家へ相談しながら進めることをおすすめします。
まとめ
✅ 家族信託は事前準備が最重要
✅ まずは目的を明確にする
✅ 財産の洗い出しを行う
✅ 信託財産を決める
✅ 受託者選びは慎重に行う
✅ 家族への説明を忘れない
✅ 信託終了後まで設計する
家族信託は認知症対策や相続対策として非常に有効な制度です。しかし、準備不足のまま進めると、かえって家族間のトラブルを招くこともあります。
当事務所では、お客様のご家族の状況や財産内容を丁寧にお伺いし、それぞれのご家庭に合った家族信託をご提案しております。家族信託をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
