✅ はじめに:相続財産の「範囲」を知ることが第一歩
相続の手続きを進める際、まず確認すべきは「どの財産が相続の対象になるのか」という点です。
実は、相続できる財産は“プラスの財産”だけではなく、“マイナスの財産”も含まれます。
また、相続の対象にならない「一身専属権」や「みなし相続財産」もあるため、分類を理解しておくことが重要です。
相続財産の全体像(分類図)
相続財産
┣ プラスの財産(資産)
┃ ┣ 現金・預貯金・不動産など
┃ ┗ 有価証券・車・貴金属など
┣ マイナスの財産(債務)
┃ ┣ 借入金・未払い税金など
┗ みなし相続財産
┣ 生命保険金・死亡退職金など
💡 相続財産の基本3分類
| 区分 | 内容 | 代表例 |
|---|---|---|
| プラスの財産 | 相続人に利益をもたらすもの | 現金・不動産・株式・預貯金など |
| マイナスの財産 | 相続人が引き継ぐ負債・義務 | 借金・未納税金・保証債務など |
| みなし相続財産 | 本来は相続ではないが課税対象 | 生命保険金・死亡退職金など |
🟢 含まれる相続財産|代表例5選
| 区分 | 財産の内容 | 相続上の扱い | ポイント |
|---|---|---|---|
| ① 現金・預貯金 | 亡くなった方名義の預金・現金 | 含まれる | 凍結されるため相続手続きが必要 |
| ② 不動産(土地・建物) | 自宅・貸地・アパートなど | 含まれる | 登記簿上の名義変更が必要 |
| ③ 株式・投資信託 | 証券口座・株券など | 含まれる | 名義人死亡で口座凍結、相続人へ承継 |
| ④ 車・貴金属・美術品 | 自動車・骨董品・宝飾品など | 含まれる | 評価額を算定し相続税申告へ反映 |
| ⑤ 貸付金・売掛金 | 他人に貸しているお金 | 含まれる | 債権として相続対象になる |
🟩 ポイント:
これらの財産は、名義が被相続人のものである限り、必ず相続財産として扱われます。
預貯金・証券口座は死亡届が出されると凍結されるため、遺産分割協議後に解約・引き出しが可能になります。
🔴 含まれない財産|代表例5選
| 区分 | 財産の内容 | 相続上の扱い | 理由・根拠 |
|---|---|---|---|
| ① 生命保険金(受取人指定あり) | 受取人が妻・子などに指定 | 含まれない(みなし相続財産) | 被相続人の財産ではなく、保険契約により取得 |
| ② 死亡退職金(受取人指定あり) | 勤務先から遺族へ支給される金銭 | 含まれない(みなし相続財産) | 相続税上は課税対象だが相続財産ではない |
| ③ 年金(未支給分以外) | 老齢年金・遺族年金など | 含まれない | 公的給付として個人の権利が消滅する |
| ④ 仏壇・仏具・墓地 | 家系の祭祀に関する財産 | 含まれない | 「祭祀財産」として相続人の1人が承継 |
| ⑤ 身体や名誉に関する権利 | 年金受給権・慰謝料請求権(特定条件除く) | 原則含まれない | 一身専属権として相続不可(民法896条) |
🟥 ポイント:
「含まれない」といっても、相続税の課税対象になるケース(みなし相続財産)があるため注意。
特に生命保険金・死亡退職金は税務上の扱いが異なるため、税理士や行政書士への相談が望ましいです。
🧾 みなし相続財産とは?
みなし相続財産とは、法律上は相続財産に含まれないが、「亡くなったことによって得た財産」として課税対象になるものです。
| 財産の種類 | 内容 | 相続税上の扱い |
|---|---|---|
| 生命保険金 | 被相続人の死亡によって支給される保険金 | 相続税の課税対象(500万円×法定相続人数まで非課税) |
| 死亡退職金 | 勤務先から遺族に支払われる金銭 | 同上(500万円×法定相続人数まで非課税) |
🧡 相続財産の「確認リスト」
相続手続きをスムーズに進めるには、財産を一覧化することが重要です。
下記のように、財産を3分類+代表例でリストアップしておくと便利です。
| 分類 | 主な財産 | チェック項目 |
|---|---|---|
| プラスの財産 | 不動産・預貯金・株式・生命保険解約返戻金 | 名義・残高を確認 |
| マイナスの財産 | 借金・ローン・税金未納 | 残債を確認 |
| みなし相続財産 | 生命保険金・死亡退職金 | 受取人・支給予定額を確認 |
🌿 まとめ:まずは「財産の範囲」を明確に
相続の第一歩は、「何が相続財産に含まれるのか」を正確に整理すること。
これを誤ると、
- 遺産分割協議がやり直し
- 相続税の申告漏れ
- 不動産登記の修正
といったトラブルにつながります。
💬 相続財産の確認や一覧化は、行政書士が客観的にサポート可能です。
戸籍・財産調査・相続関係説明図の作成など、早めの準備でスムーズな手続きができます。
