NISA口座やiDeCo口座を持っている方が亡くなった場合、その資産はどのように相続されるのでしょうか?多くの方が疑問に思う「口座そのものを相続できるのか」「どんな手続きが必要なのか」など、NISAとiDeCoの相続について分かりやすく解説します。突然の出来事にも慌てないよう、事前に確認しておきましょう!

NISA口座は非課税枠が消失、資産は課税口座へ移行

まずNISA口座についてです。NISA口座は非課税で運用できるため多くの方に利用されていますが、残念ながらNISA口座自体は相続することができません。口座所有者が亡くなった時点で非課税扱いが終了し、口座は閉鎖されます。

ただし、NISA口座内の株式や投資信託などの資産は、相続人が引き継ぐことが可能です。引き継いだ資産は課税口座へと移行し、以降の運用や売却には通常の税金が適用されます。そのため、相続人が証券口座を持っていることが必要となります。もし証券口座がない場合は、新たに開設し、資産を移す手続きを行いましょう。

iDeCo口座の相続:現金化して一時金として受け取る

次にiDeCo(個人型確定拠出年金)について見ていきます。iDeCoもまた、口座そのものを相続することはできません。しかし、iDeCo口座にある資産は現金化され、相続人が一時金として受け取ります。

この一時金は相続税の課税対象となり、遺産分割の対象にも含まれるため、相続人同士の話し合いが必要です。iDeCo口座についての手続きは複雑な場合もあるため、金融機関や専門家に相談し、準備を進めることが重要です。

特定口座とは?税務処理が簡単になるメリット

NISAやiDeCoの相続には、特定口座の知識も役立ちます。特定口座は証券取引の税務処理を簡単にするもので、証券会社が取引内容をまとめて報告書として提供してくれるため、確定申告が楽になります。

相続人が被相続人の特定口座の資産を引き継ぐ場合、相続人の証券口座に資産を移す必要があり、その後は通常の課税口座として扱われます。特定口座を利用すると、税務処理が簡素化され、相続手続きもスムーズになります。

まとめ:NISAとiDeCoの相続は早めの準備が大切

NISAやiDeCo口座は、大切な資産のひとつです。しかし、これらの口座自体は相続できず、資産を引き継ぐためには所定の手続きが必要です。相続人が証券口座を持っているか確認し、スムーズな手続きが行えるように早めの準備を行いましょう。

相続に不安がある方は、専門家に相談することをおすすめします。NISAやiDeCoの相続に関する知識を身につけ、安心して相続手続きを進められるようにしましょう。

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この記事を書いた人

立神 彰吾

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(特定行政書士・申請取次行政書士)
宅地建物取引士資格(未登録)
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「最強の一問一答 
行政手続法・行政不服審査法編」
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(行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法)」