NISA・iDeCoは相続財産として遺産分割協議書に記載すべきなのか？
相続手続きでスムーズに処理するための注意点や記載のポイントを解説します。

1. NISA・iDeCoは遺産分割協議書に必要？

結論から言うと、NISAやiDeCoの資産は遺産分割協議書に記載することが望ましいです。
ただし、iDeCoは受取人が法律で決まっているため、ケースによって記載の有無が変わります。

項目遺産分割協議書への記載の要否理由
NISA記載が望ましい金融資産として遺産分割の対象になるため
iDeCo記載不要原則として受取人が指定されており、遺産分割の対象外

2. NISAの相続手続きと遺産分割協議書の書き方

✅ NISAの相続手続きの流れ

  1. 被相続人のNISA口座が金融機関で廃止される
  2. 一般口座へ払い出し（非課税枠は消滅）
  3. 相続人ごとに遺産分割協議で分ける
  4. 金融機関へ名義変更・解約手続きを行う

✍ 遺産分割協議書の書き方（NISAの例）：

第〇条　被相続人 ○○○○の遺産について、以下のとおり分割する。

  1. ○○銀行のNISA口座にある金融資産（口座番号等記入）は、相続人△△△△が相続する。
  2. その手続きについては△△△△が責任をもって行う。

ポイント：

  • 具体的な金融機関名を記載
  • 評価額を明記することでトラブルを回避

3. iDeCoの相続手続きと注意点

iDeCoは遺産分割の対象外であるため、遺産分割協議書には通常記載しません。
ただし、相続人が複数いる場合は「iDeCoの受取人を確認しておく」ことが重要です。

✅ iDeCoの相続手続きの流れ

  1. 加入者が亡くなると、iDeCoの資産は「遺族給付金」として支給される
  2. 法定相続人が受取人となる（原則）
  3. 受取人が確定したら、金融機関に請求
  4. 相続税または所得税の適用を確認し、受取方法を選択

📌 iDeCoの受取人が決まる優先順位

順位受取人
1位配偶者
2位子（法定相続人）
3位父母（法定相続人）
4位兄弟姉妹（法定相続人）

ポイント：

  • iDeCoは契約上の「受取人」がいるため、遺産分割の対象にはならない
  • 受取方法（年金形式or一括受取）によって税金の扱いが異なる

4. NISA・iDeCoの相続手続きをスムーズにするポイント

相続でのトラブルを避けるため、次の点に注意しましょう。

✅ ① 生前に家族と話し合う

  • NISAやiDeCoの存在を家族が知らないと、手続きが遅れる
  • 誰が受け取るのかを確認しておく

✅ ② 金融機関の手続き期限を把握する

  • NISAは金融機関ごとに相続手続きの方法が異なる
  • iDeCoは受取期限（5年以内）があるため注意

✅ ③ 遺産分割協議書をしっかり作成する

  • NISAを相続する場合は明確に記載
  • iDeCoは分割協議の対象外であることを確認

5. まとめ

🔹 NISAは遺産分割協議書に記載が望ましい（金融資産として相続手続きが必要）
🔹 iDeCoは受取人が決まっているため遺産分割の対象外
🔹 生前に家族と話し合い、スムーズな相続を準備することが重要

遺産分割協議書の作成に不安がある場合は、専門家に相談するのが安心です。
スムーズな相続手続きを進めるために、しっかりと準備しましょう！