はじめに
IDECO(個人型確定拠出年金)は、老後のために積み立てる制度ですが、相続時の税金ルールは意外と複雑。
受け取り方法を間違えると、数十万円単位の損になることもあります。
この記事では、
✅ 一時金
✅ 年金方式
✅ 相続税課税
の3パターンに分けて、税金計算の仕組みをわかりやすく解説します。
最後にどの方法を選ぶべきかの判断ポイントも紹介!
パターン1:一時金で受け取る(退職所得扱い)
IDECOを一括で受け取ると、退職所得扱いになります。
計算式は次のとおり。
(受取金額−退職所得控除)×1/2=課税対象額
| 年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 加入年数 |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 ×(加入年数-20年) |
📌 ポイント
- 他に退職金を受け取っていないなら控除枠がまるまる使える
- 控除後さらに1/2課税になるので、節税効果が高い
パターン2:年金方式で受け取る(雑所得扱い)
分割して受け取ると、雑所得(公的年金等控除)として課税されます。
| 年齢 | 公的年金等控除額(年) |
|---|---|
| 65歳未満 | 60万円 |
| 65歳以上 | 110万円 |
📌 ポイント
- 毎年の課税所得が少ない人に有利
- 控除額以内なら非課税になる可能性あり
- 長寿なら合計受取額が増え、トータル税負担も分散できる
パターン3:相続税がかかるケース
IDECOは相続財産として相続税の課税対象になります。
ただし生命保険金と同じように、500万円×法定相続人の数の非課税枠を使える場合があります。
| 相続人の数 | 非課税枠 |
|---|---|
| 1人 | 500万円 |
| 2人 | 1,000万円 |
| 3人 | 1,500万円 |
📌 ポイント
- 他の生命保険金と合算して枠を使える
- 相続税がかからない人でも申告が必要なことがある
比較表|3パターンの税金をまとめると…
| 受け取り方 | 課税区分 | 控除 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|
| 一時金 | 退職所得 | 退職所得控除 + 1/2課税 | 節税効果が大きい | 一度に課税される |
| 年金方式 | 雑所得 | 公的年金等控除 | 毎年少額で分散、非課税枠を活用できる | 長生きしないと総額で損することも |
| 相続税 | 相続税法 | 500万円×相続人非課税枠 | 相続税対策になる | 相続税申告が必要 |
まとめ|損しないためには?
- 退職所得控除が大きい人は一時金受取が有利
- 65歳以上で所得が少ない人は年金方式で分散
- 高額な資産を残すなら相続税非課税枠の活用を検討
早めに受取人や受け取り方を決めて、家族と共有しておくと安心です。
