はじめに
IDECO(個人型確定拠出年金)は老後資産づくりの定番ですが、「相続」の場面では意外な落とし穴がいくつもあります。
受取人の指定や受け取り方を間違えると、せっかくの節税メリットが失われたり、思わぬ税金がかかることも…。
今回は、IDECO相続で注意すべき落とし穴を5つに絞って解説します。相続発生前にできる対策も紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてください。
落とし穴1:受取人を指定していないと手続きが複雑に
IDECOでは加入者が亡くなった場合、受取人をあらかじめ指定できる仕組みがあります。
これを設定していないと、金融機関への手続きが複雑になり、支払われるまでに数カ月かかることも。
相続人が複数いる場合は、遺産分割協議書が必要になるケースもあるため、事前指定は必須です。
落とし穴2:一時金と年金方式で税金が大きく変わる
IDECOの死亡一時金は、原則「みなし退職金」として課税されます。
一方、年金方式で受け取ると「公的年金等控除」が使えるケースもあり、課税額が変わります。
| 受け取り方 | 課税区分 | 控除 | メリット |
|---|---|---|---|
| 一時金 | 退職所得扱い | 退職所得控除 | 受取人の年齢や退職歴により節税可能 |
| 年金方式 | 雑所得(公的年金等控除) | 公的年金等控除 | 毎年少額で分散受取、総課税額が下がる場合あり |
📌 ポイント
- 受取人が高齢なら年金方式で税負担が軽くなる可能性
- 退職所得控除が大きいなら一時金で一括受取がお得
落とし穴3:相続税の課税対象になるケースも
IDECOは相続財産とみなされるため、相続税の課税対象です。
ただし、生命保険と同じく「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が使える場合があります。
この枠を活用することで、実質的に相続税負担を減らせます。
落とし穴4:手続きの期限を過ぎると受け取れない?
多くの運営管理機関では、加入者死亡から5年以内に請求しないと受給権が消滅する場合があります。
遺族が知らずに放置していると、受け取れないリスクがあるため注意が必要です。
落とし穴5:金融機関によって手続き書類が違う
IDECOは金融機関ごとに運営されているため、必要書類や手続きの流れが異なります。
あらかじめ口座を開設した金融機関の連絡先を家族に共有しておくとスムーズです。
まとめ|IDECO相続は「事前準備」で9割解決
IDECOの相続は、
- 受取人指定
- 受け取り方法の選択
- 相続税非課税枠の活用
- 手続き期限の把握
これらを事前に確認しておくことで、ほとんどのトラブルは防げます。
早めに家族と話し合い、金融機関に相談しておくことが大切です。
