🌸 はじめに
親から実家を相続したものの──
「仕事も家も別の地域にある」
「リフォーム費用が高くて住めない」
「兄弟と意見が合わず放置してしまった」
そんな理由で、実家が“空き家”のまま放置されるケースが急増しています。
しかし、空き家を放置すると固定資産税の負担だけでなく、
管理・防犯・近隣トラブルなど深刻な問題に発展することも。
この記事では、“住まない相続”で起こる後悔と、その対策を行政書士の視点から解説します。
💥 「住まない相続」でよくある3つの後悔
| 後悔の内容 | 具体例 | 主なリスク |
|---|---|---|
| 🧾 ① 固定資産税だけがかかり続ける | 誰も住まないのに毎年課税 | 「特定空家」に指定されると税負担が増大 |
| 🧱 ② 管理が行き届かず老朽化 | 雑草・雨漏り・倒壊の危険 | 近隣から苦情・行政指導を受ける |
| 🏚️ ③ 兄弟間で売却・処分が進まない | 「思い出があるから売りたくない」と対立 | 結果的に資産価値が下落・相続争いに発展 |
💬 空き家問題の本質は、「感情と現実のズレ」。
感情的に手放せない一方で、経済的・法的な負担が増えていくのです。
🧾 固定資産税の意外な落とし穴
「誰も住んでいないのに、どうして税金が?」と思う方も多いですが、
実は相続後も固定資産税は毎年発生します。
さらに──
「特定空家」に指定されると、“住宅用地特例”が外れて、
税金が最大6倍に跳ね上がることもあります。
| 状況 | 税負担 |
|---|---|
| 通常の住宅(居住あり) | 固定資産税 1/6 軽減 |
| 放置された空き家(特定空家) | 軽減措置なし・6倍課税の可能性 |
| 解体・更地化後 | 軽減なし(ただし管理リスク軽減) |
💡 「住まない=負担がない」ではなく、「住まない=負担が増える」こともあるのです。
🏠 空き家を放置しない3つの対策
| 対策 | 内容 | メリット |
|---|---|---|
| 🏘️ ① 売却・買取の検討 | 不動産会社や買取業者に相談 | 現金化して管理負担を解消 |
| 🧩 ② 賃貸・リフォーム活用 | 一部改修して賃貸運用 | 税負担軽減+収益化が可能 |
| 🤝 ③ 兄弟間で話し合いと共有化 | 管理・費用分担を明確に | 将来の相続争いを防ぐ |
どの選択をするにしても、放置だけは絶対に避けるべきです。
とくに兄弟で共有名義になっている場合は、一人の判断で動けないため、
早めの話し合いが重要になります。
👨⚖️ 専門家に相談するメリット
空き家対策は、「法務・税務・不動産」が複雑に絡み合う分野。
行政書士・司法書士・税理士など、複数の専門家の連携がカギです。
| 相談先 | 主なサポート内容 |
|---|---|
| 📝 行政書士 | 相続登記・遺産分割協議書の作成支援 |
| 🏠 不動産会社 | 売却・管理・空き家活用プラン |
| 💰 税理士 | 固定資産税・譲渡所得税の試算 |
💬 “今は使わない家”を“将来の安心資産”に変えることも可能です。
🌈 まとめ|「住まない相続」こそ早めの判断を
- 実家を相続しても住まない場合、税負担・管理リスクが発生
- 放置すると「特定空家」に指定され、課税強化や行政指導の恐れ
- 売却・賃貸・共有管理など、家族で早めに方向性を決めることが大切
相続は「財産を受け継ぐこと」だけでなく、
家と家族の未来をどう守るかを決める行為でもあります。
「そのままにしておく」ことが一番のリスク。
ぜひ早めに行動を起こしてください。
