🌸 遺言書のデジタル化が注目される背景
スマートフォンやオンラインサービスが普及する中で、遺言も「保管・管理・開示」の面でデジタル化が進んでいます。
背景には次のような理由があります👇
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 👨💻 高齢化とIT普及 | 高齢者層でもスマホやPCを使う人が増えた |
| 🏛️ 行政手続きの電子化 | マイナンバー制度など行政DXの推進 |
| ⚖️ 紛失・改ざんリスク防止 | 紙の遺言書にありがちな「紛失」「破棄」問題を防ぐ |
これらを踏まえ、法務局による「遺言書保管制度」が新たな選択肢として誕生しました。
🏛️ 法務局の遺言書保管制度とは?
2020年7月から始まった、自筆証書遺言を法務局で安全に預かる制度です。
これまで家庭内で保管していた遺言書を、国が責任を持って保管することで「紛失」「改ざん」「隠匿」などのリスクを軽減できます。
📌 利用の流れ(わかりやすく解説)
| 手順 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ① 作成 | 遺言者が自筆で遺言書を作成(財産目録はPCでも可) | 押印も必要 |
| ② 予約 | 最寄りの法務局に「保管申請予約」 | オンライン予約可 |
| ③ 提出 | 本人が法務局に出向き、職員が形式をチェック | 代理不可 |
| ④ 保管証交付 | 「遺言書保管証」が発行される | 紛失しないよう注意 |
💡 ポイント:
この制度を使えば、「家庭裁判所での検認」が不要になるため、相続手続きもスムーズです。
💰 費用とメリット・デメリット
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 🔸 保管申請手数料 | 3,900円(1通あたり) |
| 🔸 閲覧・証明書発行 | 1通800〜1,500円程度 |
✅ メリット
- 国の機関が保管するため安心
- 紛失・改ざんリスクがない
- 家庭裁判所での検認不要
- 相続人がスムーズに確認できる
⚠️ デメリット
- 本人が法務局に出向く必要がある
- 内容の“法的有効性”まではチェックされない
- 修正・撤回には再手続きが必要
📲 デジタル遺言とは?今後のトレンド
現時点(2025年)では、電子データ形式での遺言書(デジタル遺言)は法的に未対応ですが、以下のような動きが進んでいます。
| トレンド | 内容 |
|---|---|
| 🪪 マイナポータル連携 | 将来的にオンラインでの本人確認+保管申請を可能に |
| ☁️ クラウド遺言保管サービス | 民間企業によるオンライン保管が拡大 |
| ⚖️ 電子署名・タイムスタンプ | 改ざん防止技術を使った電子遺言の研究が進行中 |
🔮 近い将来、「完全オンライン遺言書」も現実に。
法務省もデジタル手続法の拡張を検討しており、2027年頃には電子署名を利用した遺言制度が導入される可能性があります。
💡 行政書士からのワンポイントアドバイス
「紙」と「デジタル」どちらの遺言を選ぶにしても、
大切なのは “内容の有効性” と “家族への伝わりやすさ” です。
特に法務局保管制度を利用する場合は、
- 書式のミスを防ぐ
- 相続人に「保管場所と証明書の存在」を伝える
- 他の法的手続き(遺産分割・信託など)と整合させる
といった点を、専門家と一緒に確認しておくと安心です。
🎯 まとめ|遺言も「紙からクラウドへ」
| 比較項目 | 従来の自筆証書遺言 | 法務局保管制度 | デジタル遺言(将来) |
|---|---|---|---|
| 保管場所 | 自宅 | 法務局 | クラウド上 |
| 検認 | 必要 | 不要 | 不要(予定) |
| 改ざんリスク | 高い | 低い | ほぼゼロ |
| 利便性 | △ | ○ | ◎ |
これからは「書いて終わり」ではなく、
“安全に保管し、確実に伝える”時代へと進化しています。
🖋️ まとめの一言:
デジタル時代の遺言は、“残す”から“つなぐ”へ。
大切な想いを、確実に未来へ届ける仕組みを選びましょう。
