🌱 はじめに

相続の手続きでよくあるお悩みが、

「兄弟のひとりが音信不通で、話し合いが進まない」
というケースです。

遺産分割協議は相続人全員の合意がなければ成立しません。
そのため、ひとりでも連絡が取れない相続人がいると、手続き全体が止まってしまいます。

この記事では、
・相続人の一人が連絡を取れないときの対応方法
・不在者財産管理人の制度
・放置した場合の法的リスク
をわかりやすく解説します。

⚖️ 遺産分割協議には「全員の合意」が必要

相続人のうち一人でも欠けている協議書は、法律上「無効」となります。
これは民法第907条に基づく原則です。

項目内容
📜 法的根拠民法907条「共同相続人全員の協議による分割」
🚫 欠けた場合相続人の一人が抜けていれば協議書は無効
💬 よくある誤解「代表者がサインすればOK」ではない!全員の署名・押印が必要

💡ポイント:
「とりあえず他の兄弟だけで進める」という行為は、後に無効・やり直しになるリスクが非常に高いです。

🕵️‍♀️ まず確認すべき!「本当に連絡が取れない」状態か?

相続人が本当に行方不明なのか、それとも連絡を拒否しているだけなのかで対応は変わります。

状況対応方法補足
📞 電話・メールに応答なし手紙・書留で正式に連絡を試みる記録を残すことが重要
🏠 住所がわからない住民票や戸籍の附票で現住所を調査行政書士・司法書士が取得可能
🚫 完全に行方不明「不在者財産管理人」の申立てを検討家庭裁判所に手続きが必要

📍コツ:
まずは「連絡を取る努力をした証拠」を残しておくことが大切です。
後に家庭裁判所へ申し立てる際にも、有効な資料になります。

🏛️ 不在者財産管理人とは?

🧾 制度の概要

行方不明の相続人の代わりに、遺産分割協議などを進めるために選任されるのが
「不在者財産管理人」です。(民法第25条・第28条)

項目内容
📖 手続きを行う場所相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
🧑‍⚖️ 申立てできる人他の相続人や利害関係人(例:配偶者、子など)
📋 必要書類申立書・戸籍謄本・財産目録など
⏱️ 手続き期間1〜2か月程度(目安)
💰 費用収入印紙+郵券+管理人報酬(数万円〜)

💡 ポイント:
選任された不在者財産管理人は、家庭裁判所の許可を得て協議に参加・署名が可能になります。
これにより、行方不明者がいても遺産分割協議を進めることができます。

🚨 放置するとどうなる?

相続人の一人が連絡できないまま協議を放置すると、以下のような問題が起こります。

問題点内容
⏳ 登記・名義変更ができない不動産や預貯金が被相続人名義のまま残る
💰 固定資産税・維持費の負担誰が払うかで二次トラブルに発展
⚖️ 時効・権利の消滅一部の権利が時効により失われるおそれ

📍 注意:
「放っておけば何とかなる」は禁物です。
法的に動かない限り、遺産の分割も名義変更もできません。

💬 どうしても話し合いができないときは「家庭裁判所の調停」へ

不在者財産管理人を選任しても話が進まない、または他の相続人が感情的になっている場合は、
家庭裁判所の遺産分割調停を申し立てます。

項目内容
🏛️ 手続き先被相続人の最後の住所地の家庭裁判所
📋 必要書類申立書・戸籍関係書類・相続関係説明図など
🧾 費用収入印紙1,200円+郵便切手(数千円)
⏱️ 期間数か月〜半年程度(ケースにより異なる)

💡 ポイント:
調停では家庭裁判所の調停委員が間に入り、
冷静な話し合いをサポートしてくれます。
相続人同士の直接対立を避けられるのが大きなメリットです。

🌸 まとめ

ポイント内容
🔍 連絡が取れない相続人がいると協議は無効全員の合意が原則
🧾 不在者財産管理人の制度を活用家庭裁判所に申立てで代行可
🕐 放置すると名義変更できずリスク大早期対応がトラブル防止につながる

💬 相続は「待っても進まない手続き」です。
ひとりでも連絡が取れない相続人がいる場合は、早めに専門家へ相談し、
法的なステップで確実に進めることが大切です。

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この記事を書いた人

立神 彰吾

相続・遺言・生前対策などの法務相談を中心に、これまで累計1万件以上のご相談に対応。
立神法務事務所では、“相談しやすさ”を何より大切にしたサポートを心がけています。専門用語を並べるのではなく、「どうしてそうなるのか」がわかるよう背景や理由も交えて説明。
メリット・デメリットを丁寧にお伝えし、 お客様と一緒に、最適な方法を探していきます。

保有資格
行政書士
(特定行政書士・申請取次行政書士)
宅地建物取引士資格(未登録)
書籍
「最強の一問一答 
行政手続法・行政不服審査法編」
「最強の一問一答 基礎知識編
(行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法)」