はじめに
「親が認知症になったらどうする?」「将来の相続トラブルを防ぎたい」
そんなときに検討されるのが 成年後見・任意後見・家族信託 の3つの制度です。
でも、名前は聞いたことがあっても、
- どれが自分に合っているのか
- 費用や手続きがどれくらいかかるのか
- メリットとデメリットの違いは?
と悩む方がほとんど。
この記事では、3つの制度をわかりやすい 早見表 にまとめ、
失敗しない選び方まで丁寧に解説します。
✅ 3つの制度を早見表で比較!
| 項目 | 成年後見 | 任意後見 | 家族信託 |
|---|---|---|---|
| 開始時期 | 判断能力が低下してから家庭裁判所に申立て | 判断能力があるうちに契約、判断能力が低下後に発動 | 判断能力があるうちに契約し、すぐ開始可能 |
| 関与する機関 | 家庭裁判所 | 家庭裁判所(発効時) | 不要 |
| 主な目的 | 財産管理、身上監護 | 財産管理、身上監護(本人の意思を反映しやすい) | 財産管理・承継(相続対策に強い) |
| 費用 | 裁判費用・後見人報酬が継続的に発生 | 契約書作成費用+後見人報酬 | 契約書作成費用+信託報酬(設定内容により変動) |
| メリット | 法律でしっかり保護、悪用されにくい | 本人の希望を反映できる | 柔軟に資産承継設計が可能、相続税対策と相性◎ |
| デメリット | 費用がかかる、柔軟性が低い | 発動まで時間がかかる | 専門家の設計が必須、仕組みがやや複雑 |
🔍 制度別のメリット・デメリットをさらに詳しく解説
🔹 成年後見
- メリット:裁判所が監督するので不正が起こりにくい
- デメリット:後見人の報酬が毎月発生、財産処分には裁判所許可が必要
🔹 任意後見
- メリット:契約内容を自由に決められる、信頼できる人を選べる
- デメリット:発効時に裁判所の監督が入るため、すぐに始められない
🔹 家族信託
- メリット:生前から相続まで一貫した財産管理、複数人への承継設計も可能
- デメリット:設計を誤るとトラブルになる、契約書作成に専門家の関与が必須
💡 失敗しない選び方のコツ(3ステップ)
- 目的を明確にする
→ 認知症対策か、相続対策か、それとも両方か? - 関わる人を決める
→ 誰に財産を託したいか、監督役は必要か? - 費用と管理負担を比較する
→ 長期的にかかる報酬や手間も考慮する
まとめ
成年後見・任意後見・家族信託は、それぞれ役割や得意分野が異なります。
「どれがいいか」ではなく、目的に合わせて選ぶのが大切です。
迷ったら、まずは専門家に相談して、
自分の家族に合った方法を一緒に検討するのがおすすめです。
