不動産を複数所有している方にとって、相続税は最大の悩みの種。
「土地があるせいで相続税が高い…」
「現金が少なく納税が心配…」
そんな方におすすめなのが 家族信託 です。
家族信託は、単なる節税対策ではなく、不動産を守りながら承継をスムーズにする仕組み。
ここでは、不動産オーナーが相続税を抑えるために活用できる 8つの方法 をわかりやすく解説します。
1. 生前から承継先を決めて遺産分割トラブルを防ぐ
家族信託では、不動産の承継先(受益者)を契約で決めておけるため、相続開始後の争いを防ぎます。
結果として、換価分割(売却)による税負担増を回避できます。
2. 収益不動産の管理を一元化して評価額をコントロール
アパート・マンションなど複数の不動産を一括管理することで、空室リスクを減らし、安定した収益構造を作れます。
安定収益は銀行評価を高め、納税資金の確保がしやすくなるという副次効果も。
3. 受益者連続型信託で二次相続も見据える
二次相続(配偶者が亡くなったときの相続)で相続税が跳ね上がるケースは多いです。
受益者連続型信託を使えば、次の世代まで承継先を指定可能で、無駄な再分割や評価変動リスクを減らせます。
4. 遺留分対策として活用
遺留分侵害額請求を減らすため、誰がどの不動産を受け取るか明確化しておくことで、遺留分計算の基礎財産をコントロールできます。
5. 納税資金を確保しやすい仕組みを作る
信託契約で、家賃収入を相続税納税資金として積み立てるよう設定可能。
現金不足での不動産売却を回避できます。
6. 不動産の共有化を防ぎ、評価減を回避
共有名義は分割が複雑で評価が下がる一方、後々の換価トラブルを招きます。
家族信託なら、単独名義のまま受益権を分けることができるため、相続後の調整コストを削減。
7. 認知症対策にも有効
オーナーが認知症になると不動産の売却・建替えができず、相続税対策がストップ。
家族信託なら、受託者が継続的に管理・売却が可能で対策が止まりません。
8. 贈与税を発生させずに承継準備が可能
家族信託は贈与ではなく信託契約。
受益権の変更は課税関係に注意が必要ですが、適切に設計すれば贈与税を回避しながら承継準備ができます。
📊 不動産オーナー向け「家族信託×相続税対策」比較表
| 対策内容 | 家族信託で可能? | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 承継先の指定 | ✅ 可能 | 遺産分割トラブル回避 | 契約書に詳細記載が必要 |
| 二次相続対策 | ✅ 可能 | 将来の相続税負担軽減 | 税理士と連携必須 |
| 認知症対策 | ✅ 可能 | 管理・売却が止まらない | 信託設定時に慎重な設計 |
| 節税効果 | △ 部分的 | 評価減+現金確保 | 単独での大幅節税は難しい |
まとめ
- 家族信託は不動産オーナーの相続税対策に有効
- ただし節税だけでなく、承継・管理・納税資金の確保まで含めて設計するのがポイント
- 行政書士+税理士のチームで設計すると失敗リスクを減らせます
