🌸 はじめに

「家族信託は便利!」と聞いて契約を急ぐ方も多いですが、実は正しい知識がないまま契約するとトラブルになることもあります。

特に、認知症対策や相続対策を目的に利用する場合、契約内容や設計を誤ると“逆効果”になるリスクも。

そこで今回は、家族信託を検討する方が知っておくべき 注意点=落とし穴を7つ ご紹介します。

⚠️ 家族信託契約の落とし穴7つ

1. 受託者(財産を託される人)の選び方を誤る

家族信託では、財産を管理する「受託者」が中心的な役割を担います。
信頼できる家族に任せるのが基本ですが、金銭感覚や責任感に欠ける人を選んでしまうと、トラブルの原因になります。

2. 契約内容があいまい

「ざっくり任せる」で契約すると、後で解釈が分かれて揉めるケースが多いです。
👉 財産の範囲、使途、利益配分を明確に契約書に盛り込みましょう。

3. 範囲を広げすぎる

「全部お任せ」にすると、本人や他の相続人の意向が反映されにくくなります。
必要な財産に限定して信託するのが無難です。

4. 成年後見制度・遺言と組み合わせていない

家族信託だけですべて解決できるわけではありません。
遺言や後見制度と組み合わせて設計することで、より安心な仕組みになります。

5. 税務面を考えていない

家族信託は「課税関係」が複雑です。
特に、不動産や贈与に関わる場合は専門家の確認が必須です。

6. 受益者(財産から利益を得る人)の将来を見据えていない

例えば「父の死亡後は母へ、さらに母の死後は子へ」といった二次相続まで設計しないと、後で家族が困る可能性があります。

7. 専門家に相談せず自己流で契約してしまう

ネットの雛形を参考に自己流で契約すると、後で「効力がない」と判断されるリスクがあります。
👉 公正証書や司法書士・行政書士などの専門家に依頼するのが安心です。

📊 家族信託の「成功」と「失敗」の比較

項目成功する契約失敗する契約
受託者信頼できる人を選ぶ責任感のない人を選ぶ
契約内容範囲・目的を明確化曖昧なまま契約
財産の範囲必要な財産に限定全財産を一括で任せる
他制度との連携遺言・後見と組み合わせる家族信託だけで対応
税務対応税理士と相談税金を考慮せず進める
相続設計二次以降も設計一代限りで終了
契約方法専門家が作成自己流・雛形で対応

👉 表の通り、ちょっとした工夫や準備で「失敗」を避けられるのが家族信託です。

🎯 まとめ

家族信託は、認知症対策や相続トラブル防止に役立つ制度ですが、設計や契約を誤ると大きなリスクになります。

落とし穴を避けるポイントは──

  1. 受託者選びを慎重にする
  2. 契約内容を明確にする
  3. 他の制度や税務も視野に入れる
  4. 専門家のサポートを受ける

「失敗しない家族信託」のために、まずは 信頼できる専門家へ早めに相談することをおすすめします。

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この記事を書いた人

立神 彰吾

相続・遺言・生前対策などの法務相談を中心に、これまで累計1万件以上のご相談に対応。
立神法務事務所では、“相談しやすさ”を何より大切にしたサポートを心がけています。専門用語を並べるのではなく、「どうしてそうなるのか」がわかるよう背景や理由も交えて説明。
メリット・デメリットを丁寧にお伝えし、 お客様と一緒に、最適な方法を探していきます。

保有資格
行政書士
(特定行政書士・申請取次行政書士)
宅地建物取引士資格(未登録)
書籍
「最強の一問一答 
行政手続法・行政不服審査法編」
「最強の一問一答 基礎知識編
(行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法)」