📖 遺産分割協議書は原則やり直し可能
遺産分割協議書は、相続人全員の合意があれば再協議(やり直し)可能です。
法律上は一度決めた内容を変更することを禁じていません。
ただし、注意すべきは
- 既に登記や税務申告を済ませている場合
- 現物財産の名義が移転してしまった場合
こうしたケースでは余分な手続きや税務上の扱いが発生します。
🛠️ 再協議が認められる条件
- 相続人全員が再協議に同意していること
- 合意内容が法律や公序良俗に反しないこと
- 未成年や判断能力が低下した相続人がいる場合、特別代理人や成年後見人の同意が必要
⚖️ 修正が登記・税務申告に与える影響
項目 | 修正前の状態 | 修正後の影響 |
---|---|---|
不動産登記 | 登記済み | 新たに所有権移転登記が必要(登録免許税も発生) |
相続税申告 | 既に申告済み | 修正申告や更正の請求が必要 |
税務上の扱い | 相続として課税 | 贈与とみなされる可能性あり(特に修正が大幅な場合) |
💡 ポイント
- 税務署は「相続→贈与」と判断する場合、贈与税率が適用される
- 贈与税は最高55%と相続税より高くなる可能性も
🎁 贈与とみなされるケース
例えば、最初の協議で「長男が全財産を相続」と決めた後、再協議で「長女にも半分渡す」に変更した場合、
長男→長女への贈与と見なされるリスクが高いです。
税務上の安全策としては
- 再協議は相続税申告前に行う
- 財産のやり取りは極力最初の協議で確定させる
📄 再協議書作成の流れ
- 全員で話し合い再分割の合意を形成
- 新しい遺産分割協議書を作成(修正ではなく、新規作成が望ましい)
- 必要に応じて不動産登記・税務手続きをやり直す
- 協議書には「前回の協議を全員で破棄し、新たに協議した」旨を明記
🗝️ トラブル回避のコツ
- 協議書は日付・署名押印・全員分を必ずそろえる
- 第三者(行政書士・司法書士や税理士)にチェックしてもらう
- 財産評価や税額の再計算を怠らない
🎯 まとめ
- 遺産分割協議書は全員合意で書き直し可能
- 登記や税務への影響は大きく、贈与税リスクもあり
- 修正は相続税申告前が安全
- 専門家のサポートで、トラブルと余計な税負担を防ぐ