はじめに|似ているようで違う3つの制度
「親の認知症に備えたいけど、何から始めたらいいかわからない」
「家族信託と後見制度って、どう使い分けるの?」
そんな声をよくいただきます。
今回は、「家族信託」「任意後見」「成年後見」の違いを、専門家の視点でわかりやすく&カラフルな表付きでご紹介します!
📊 比較表|家族信託・任意後見・成年後見の違い
項目/制度 | 家族信託 🏠 | 任意後見 📝 | 成年後見 👴 |
---|---|---|---|
開始時期 | 契約後すぐに効力が発生 | 判断能力があるうちに契約し、判断能力低下後に発効 | 判断能力が低下してから家庭裁判所に申立 |
利用目的 | 財産管理・承継・相続対策 | 判断能力が落ちたときのサポート | 判断能力が落ちた人の保護・管理 |
契約できる状態 | 本人の判断能力があるとき | 本人の判断能力があるとき | 本人の判断能力が不十分なとき |
家庭裁判所の関与 | なし(信託契約のみ) | 開始時に後見監督人を家庭裁判所が選任 | 後見人を家庭裁判所が選任 |
柔軟性・自由度 | 高い(契約内容を自由に決められる) | やや自由(契約内容で決まる) | 低い(法律に基づいて厳格に運用) |
第三者の介入 | 基本的になし | 後見監督人がつく | 家庭裁判所が定期的に監督 |
主な対象財産 | 不動産、預金、株式など幅広い | 財産全般 | 財産全般 |
手続き費用(目安) | 10〜50万円程度 | 数万円+将来的な報酬あり | 申立費用+専門職報酬(継続的) |
💡 ポイント解説|それぞれどんな人に向いている?
✅ 家族信託が向いている人
- 自分の意思で柔軟に財産管理したい
- 認知症対策と同時に、相続も意識している
- 不動産の名義変更や売却を家族に任せたい
✅ 任意後見が向いている人
- いざというときに備えて信頼できる人を後見人に指名したい
- まだ判断能力があるが、将来が不安
✅ 成年後見が向いている人
- すでに認知症などで判断能力が低下している
- 家族に財産管理を任せるのが不安で、法的な保護が必要
🧭 よくある質問(Q&A)
Q. 家族信託と任意後見、どちらか一方でいい?
A. 状況によっては併用がベストです。たとえば、「財産管理は家族信託」「介護や身上監護は任意後見」という使い分けも可能です。
Q. 成年後見になったら家族信託は使えないの?
A. 成年後見が始まると、新たな契約は難しいです。元気なうちの準備がカギ!
🎯 まとめ|制度の特徴を活かして、将来の安心を設計しよう
「家族信託」「任意後見」「成年後見」は、それぞれ特長も使いどころも違います。
大切なのは、親や自分の状況に合った制度を、タイミングよく選ぶこと。
少しでも不安があれば、早めに専門家へご相談ください。
当事務所では、制度の組み合わせや設計のご相談も丁寧に対応しています。