この記事でわかること

  • 成年後見制度の基本と仕組み
  • メリットとデメリット、具体的な7つのポイント
  • 家族が後悔しない制度の選び方

🌱 はじめに|「成年後見制度って必要なの?」

親が認知症になったとき、「このままじゃ銀行手続きもできない…」
そんな場面で初めて「成年後見制度」の名前を耳にする方が多いのではないでしょうか?

しかし、制度をよく知らずに申立てをしてしまうと、「こんなはずじゃなかった!」と後悔するケースも。
この記事では、成年後見制度のメリット・デメリット7つをわかりやすくまとめました。
「うちの家族に本当に必要?」を判断する参考にしてください。

✅ 成年後見制度の仕組みって?

成年後見制度とは、判断能力が低下した人(被後見人)に代わって、財産管理や契約行為などを行う制度です。
家庭裁判所に申し立てをして、後見人が選任されます。

種類は次の3つ:

  • 法定後見制度:すでに判断能力が低下した人向け
  • 任意後見制度:元気なうちに、将来の後見人を自分で指定しておく仕組み

✅ 成年後見制度のメリット4つ

【メリット1】法律で認められた強力な権限が持てる

後見人は、裁判所の選任を受けた「法的代理人」なので、銀行・役所・不動産登記など、あらゆる手続きができます。

こんな場面で有効

  • 銀行預金の解約・管理
  • 不動産売却手続き
  • 施設への入所契約

【メリット2】本人の利益が法律でしっかり守られる

後見人には「善管注意義務」があるため、本人の不利益になる行為は禁止されています。
勝手に財産を使い込むことはできません。

安心ポイント

  • 定期的に裁判所への報告義務がある
  • 家族間トラブルの防止にも

【メリット3】認知症発症後でも利用できる

法定後見制度なら、すでに判断能力がない状態でも申し立てOK。
これが任意後見との大きな違いです。

こんなときに必要

  • 本人が判断できない状態で契約手続きが必要なとき

【メリット4】成年後見人がいれば、第三者からの悪質商法も防げる

  • 例えば:「怪しい訪問販売で高額契約」など
  • 成年後見人がつくことで、こうした契約は取り消し可能になります。(民法120条)

✅ 成年後見制度のデメリット3つ

【デメリット1】家庭裁判所の管理下に置かれる

後見人は定期的に裁判所に財産報告をする必要があります。
「自由に財産を動かせない」と感じる家族も多いです。

注意点

  • 通帳コピーや領収書の提出が必要
  • 勝手な贈与や不動産売却はできない(事前許可が必要)

【デメリット2】後見人の報酬がかかる

家庭裁判所が「後見人報酬」を決定します。(月数万円が一般的)
特に
専門職後見人(司法書士・弁護士など)が選任された場合、費用負担が大きくなることも。

ポイント

  • 家族が後見人になれば安く済むが、裁判所が専門職を選ぶこともある

【デメリット3】一度始めたら「やめられない」

成年後見制度は原則、本人が亡くなるまで続きます。
途中で「やっぱり不要だから終了」ということはできません。

よくある後悔例

  • 「施設入所後、ほとんど財産管理することがなくなったのに…」
  • 「後見人報酬がずっとかかる…」

✅ まとめ|「本当に必要か?」をよく検討してから申し立てを

成年後見制度は、とても強力で有効な制度です。
でも、手続きの負担や費用面、家族の自由度制限など、デメリットもきちんと理解した上で決断することが大切です。

もし不安があれば、「任意後見」「家族信託」「民事信託」など他の選択肢もあわせて検討しましょう。