🧭 そもそも「任意後見」と「家族信託」は何が違う?
どちらも「認知症などで判断力が落ちたときに備える制度」ですが、次のように目的や使い方が異なります。
- 任意後見: 将来の判断力低下に備え、信頼できる人に財産や契約の代理権を与える制度
- 家族信託: 財産の管理や承継を目的に、特定の人に財産の管理・処分を任せる制度
✅ 任意後見と家族信託の5つの違い【比較表つき】
以下の表で、よく聞かれる5つのポイントを比較してみましょう。
比較項目 | 任意後見 | 家族信託 |
---|---|---|
🏛 契約の発効タイミング | 本人の判断能力が低下し、家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任した後に効力発生 | 契約した時点で、すぐに効力が発生する(発効条件も設定可能) |
👤 財産の名義 | そのまま本人名義 | 財産は「受託者(家族など)」名義になる |
📝 対象となる行為 | 主に財産管理・生活支援・介護契約など | 財産の管理・運用・承継など幅広い内容が設定可能 |
⚖ 監督・関与 | 裁判所の監督あり(監督人が必ずつく) | 裁判所の関与なし、柔軟に運用できる |
💰 費用・手間 | 裁判所関与の分、費用や手間が比較的かかる | 契約後は比較的自由・費用もケースにより抑えられる |
💬 補足:併用はできる?
✅ はい、併用は可能です。
- 【任意後見】→ 認知症後の契約や医療対応に備える
- 【家族信託】→ 財産の管理や相続対策を計画的に行う
このように、目的によって使い分け・併用することで、より安心できる仕組みを構築できます。
🤔 どちらを選ぶべき?判断ポイント3つ
① 「将来、認知症のときに頼れる人を決めたい」なら…
➡️ 任意後見がおすすめ
- 医療・介護契約の代理が必要になりそう
- 自分で信頼できる人を指定しておきたい
- 家庭裁判所の監督下で運用したい
② 「今のうちに財産管理を移したい」「相続対策したい」なら…
➡️ 家族信託がおすすめ
- 賃貸物件・株式などの管理を任せたい
- 遺言書のように、資産を次世代へ渡す設計をしたい
- 家族間での信頼が築けている
③ 「老後に向けて、どちらも必要になりそう」なら…
➡️ 併用プランを検討しましょう
たとえば:
- 【家族信託】で財産管理を任せつつ
- 【任意後見】で介護や入院手続きを任せる
というように、補完関係として使うのが最も安心です。
🌈 まとめ|「違いを知って、自分に合う選択を」
判断の目安 | 任意後見 | 家族信託 |
---|---|---|
判断力低下に備えたい | ◎ | △(備える内容次第) |
財産を預けて運用したい | △ | ◎ |
医療・施設の契約などに備えたい | ◎ | △ |
裁判所の監督を受けたい/安心したい | ◎ | △ |
費用や自由度を優先したい | △ | ◎ |
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