相続が発生すると、兄弟や親族と協力して遺産分割や相続税申告を行う必要があります。しかし、長年疎遠だったり、連絡がつかない相続人がいると、手続きがスムーズに進まず、相続税の申告期限(10か月)に間に合わないリスク も…。

今回は、連絡が取れない相続人がいる場合の影響と対処法 を解説します!

1.連絡が取れない相続人がいるとどうなる?

相続手続きでは、遺産分割協議を全員で行う必要があります。しかし、相続人のうち誰かが行方不明だったり、協力しない場合、以下の問題が発生します。

① 遺産分割協議が進まない

  • 相続人全員の合意がないと遺産分割ができない
  • 不動産の名義変更や財産の分配ができない
  • 相続税の計算が確定せず、申告が遅れる可能性

② 相続税の申告が遅れるとペナルティが発生

相続税の申告期限(10か月)を過ぎると、延滞税や無申告加算税が発生 します。
申告が遅れた原因が「相続人の失踪」でも、他の相続人が責任を負うことに…!

③ 相続放棄の判断ができず、負の遺産を引き継ぐ可能性も

相続人全員が話し合いをして相続放棄をするかどうか決める必要があります。
誰かが行方不明だと、債務をどうするかの判断が遅れ、負の遺産を引き継ぐリスクも…。

2.連絡が取れない相続人がいる場合の対処法

✅ ① 戸籍や住民票を調べて所在を確認

まずは、戸籍の附票や住民票を取得 し、相続人の住所を特定します。
行政書士や弁護士に依頼するとスムーズ

✅ ② 内容証明郵便や親族経由で連絡を試みる

  • 手紙や電話で協力を依頼する
  • 内容証明郵便を送付し、通知した証拠を残す
  • 共通の知人や親族を通じて連絡を試みる

✅ ③ 家庭裁判所で「不在者財産管理人」を選任する

行方不明の相続人がいる場合、家庭裁判所に申し立てを行い、不在者財産管理人を選任 することで手続きを進めることが可能です。

管理人が代理で遺産分割協議を行い、相続手続きを進められる
時間はかかるが、最終的には遺産分割が可能になる

✅ ④ 失踪宣告を申立て、法律上死亡とみなす

長期間行方不明の場合(7年以上)、家庭裁判所に「失踪宣告」を申し立てることで、死亡とみなし、相続手続きを進めることが可能 になります。

通常の相続手続きと同じように遺産分割が可能
ただし手続きに時間がかかるため、早めの対応が必要

3.まとめ|疎遠な親族がいても相続税申告を遅らせないために

連絡が取れない相続人がいると、遺産分割協議が進まず、相続税申告が遅れるリスク があります。

💡 この記事のポイント戸籍や住民票を調べ、相続人の所在を確認
内容証明郵便や親族を通じて連絡を試みる
家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立てる
7年以上行方不明なら「失踪宣告」を申立てる

相続税の申告期限は10か月! 期限を過ぎるとペナルティが発生するため、早めに専門家へ相談し、適切な手続きを進めましょう!