「遺言書を書いたけど、これで本当に大丈夫?」
「条文形式で書くと良いって聞いたけど、間違えたら無効になるって本当?」

遺言書は、書き方を間違えると「無効」になってしまうことがあります。
特に「条文形式(第◯条、第◯項などをつけて整理する方法)」を使う場合、法律的に正しい書き方を守ることが大切です。

この記事では、遺言書を条文形式で書く際に気をつけるべき5つのポイントを、わかりやすく解説します!
あなたの遺言書がしっかりと法的に有効になるように、ぜひ最後までチェックしてください。

1. そもそも「条文形式」とは?

条文形式とは、「第1条(財産の相続)」「第2条(預貯金の分配)」のように番号をつけて整理する書き方です。

📌 メリット
見やすい・わかりやすい → 相続人が迷わず理解できる
法的に明確 → 誰が何を受け取るのかがはっきりする
相続トラブルを防げる → 曖昧な表現がなくなる

🔹 条文形式の例(自筆証書遺言)

遺言書
令和6年3月16日

第1条(不動産の相続)
私は、千葉県佐倉市〇〇町〇丁目〇番地の土地及び建物を、長男〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

第2条(預貯金の相続)
私の〇〇銀行〇〇支店の普通預金(口座番号〇〇〇〇〇〇)は、長女〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

第3条(遺言執行者)
本遺言の執行者として、〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)を指定する。

〇〇〇〇(氏名) ㊞

2. 遺言書を条文形式で書く際の5つの注意点

❌ 注意点①:「日付」を書かないと無効になる!

遺言書には、「いつ書かれたものか」が明確であることが必須です。
日付がないと無効になるので、必ず記載しましょう。

🔹 正しい書き方
✅ 令和6年3月16日
✅ 2025年3月16日

🚨 NG例
❌ 2025年3月
❌ 3月16日
❌ 「令和6年春頃」など曖昧な表現

❌ 注意点②:「署名」と「押印」を忘れると無効!

遺言書は、本人が書いたものであることを証明するために、署名(自筆)と押印が必要です。
自筆証書遺言では、本人の直筆でフルネームを書くことが必須!

🚨 NG例
❌ 署名がない
❌ 押印がない
❌ イニシャルや略字(例:「T.Y.」など)

🔹 正しい書き方
✅ フルネームで署名し、印鑑(実印or認印)を押す

❌ 注意点③:「財産の詳細」を曖昧に書くと無効の可能性!

財産を指定するときに、具体的な情報を記載しないと、誰がどの財産を相続するのか曖昧になり、トラブルの原因になります。

🚨 NG例
❌ 「全財産を長男に相続させる」 → 何が含まれるかわからず無効の可能性
❌ 「〇〇銀行の預金を長女に相続させる」 → 支店名・口座番号がないと特定できない

🔹 正しい書き方
不動産の場合:「千葉県佐倉市〇〇町〇丁目〇番地の土地および建物」
預貯金の場合:「〇〇銀行〇〇支店 普通預金 口座番号〇〇〇〇〇〇」

❌ 注意点④:「訂正方法を間違える」と無効になる!

遺言書を書いている途中で間違えた場合、修正方法にルールがあるので要注意!
ただ二重線で消して書き直すだけでは無効になることがあります。

🔹 正しい訂正方法(自筆証書遺言の場合)

  1. 間違えた部分に二重線を引く
  2. その近くに訂正印を押す(印鑑を押す)
  3. 訂正箇所を明記する(例:「〇〇の文字を△△に訂正する」)
  4. 遺言書の末尾に訂正した旨を記載し、署名する

公正証書遺言の場合は、公証人が訂正するため自分で修正する必要はありません。

❌ 注意点⑤:「付言事項」を上手に活用する!

「付言事項」とは、法的な効力はないが、遺言の理由や想いを伝えるためのメッセージです。
特に「なぜこのような分け方をしたのか」を書くことで、相続人同士のトラブルを防ぐことができます。

🔹 付言事項の例
「私は、長年自宅の面倒を見てくれた長男〇〇に、不動産を相続させます。」
「全員が仲良く助け合いながら生活していくことを願っています。」

🚨 付言事項がないと…
・「どうして自分には財産が少ないの?」と相続人が不満に思う
・感情的な争いが起こる可能性が高くなる

3. まとめ|条文形式で書くときは、正しいルールを守ろう!

「日付」がないと無効!必ず正確に書く!
「署名・押印」を忘れない!
財産の詳細を明確に記載する!
訂正方法を間違えない!ルール通りに修正する!
付言事項を活用し、家族に想いを伝える!

遺言書は、正しい形式で書かないと無効になってしまうことがあります。
特に条文形式を使う場合は、細かいポイントを押さえて、家族に確実に想いを残せるようにしましょう!