相続手続きといえば、たくさんの書類を準備する必要がある複雑なプロセスだと耳にする方も多いでしょう。相続に関する書類をしっかり整え、正確かつ効率的に手続きを進めることで、相続人の負担を軽減し、トラブルのリスクを減らせます。ここでは、相続に必要な主な書類と、それらにおける行政書士の役割について詳しく説明します。

1. 遺言書または遺産分割協議書(相続人の印鑑証明書付き)

遺言書
遺言書は被相続人(故人)が遺産をどう分けるか指定した文書で、相続手続きを進める上で最も重要な書類のひとつです。以下の3つのタイプがあります:

  • 公正証書遺言:公証役場で公証人が作成し、確実に保管されます。最も信頼性が高く、行政書士が作成サポートや証人として立会うことも可能です。
  • 自筆証書遺言:被相続人自身が手書きした遺言書で、全文を手書きし、日付と署名が必須です。自筆証書遺言が法的な形式を満たしているかを確認するのも行政書士の重要な役割です。
  • 秘密証書遺言:内容を秘密にしたまま公証役場で保管される遺言書です。行政書士が作成手順をアドバイスします。

遺産分割協議書
遺産分割協議書は、相続人全員が協議し、遺産の分割方法を合意した内容を文書化したものです。協議書には相続人全員の実印の押印と、その実印の印鑑証明書の添付が必要です。

  • 目的:全員の合意を証明し、後のトラブルを防ぎます。
  • 内容:相続人名、遺産内容、分割方法、合意内容を記載します。
  • 重要性:実印と印鑑証明書により協議書の信頼性が高まります。

2. 戸籍謄本

被相続人および相続人全員の戸籍謄本は、相続関係を確認するために必須です。被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得し、相続人間の関係性が正確に証明されます。行政書士が戸籍謄本の取得を代行することで手続きがスムーズになります。
ただ、最近は相続人が被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍がとれる制度(広域交付制度)があります。これは相続人の特有制度で
専門家はこの制度は使えません。(佐倉市のHPがわかりやすいのでリンク貼っておきます。)

3. 住民票の除票と相続人の住民票

住民票の除票
被相続人の死亡を証明する書類で、市区町村で取得します。行政書士が代理取得できるため、手間を省けます。

相続人の住民票
相続人の住所確認用の書類として必要な場合があり、相続手続き全体のスムーズさを支えます。

4. 相続関係説明図

相続関係説明図とは、被相続人と相続人の関係を示した図で、誰が相続人であるかを一目で把握できます。行政書士が説明図を作成し、相続人同士の理解を促すサポートも行います。

5. 財産目録

被相続人が持つ不動産、預貯金、株式、債務などすべての財産をリストアップした書類です。行政書士が財産目録作成を支援し、公平な分割ができるようサポートします。

6. 預貯金通帳の写し

預貯金通帳の写しは、金融機関に相続手続きを依頼する際に必要です。口座残高や取引履歴の確認が行えるため、遺産分割が進めやすくなります。行政書士が金融機関とのやり取りを代行する場合もあります。

7. 不動産の登記事項証明書

被相続人が所有していた不動産の登記簿謄本は、不動産の所有権を証明する書類です。法務局で取得可能で、行政書士が代理で取得することで相続手続きの負担を減らせます。また、必要に応じて担当司法書士が登記申請を行います。

まとめ:スムーズな相続手続きのために行政書士を活用しよう

相続手続きには多くの書類が必要で、それぞれが相続人間の協力や法的手続きを確実に進める上で重要です。行政書士は、書類の取得から作成、代理手続きまで幅広くサポートし、相続人が安心して手続きを進められるようお手伝いします。

必要書類を早めに揃え、プロのアドバイスを受けることで、相続手続きを効率的に行うことが可能です。行政書士のサポートを活用し、安心で円滑な相続手続きを実現しましょう。