不動産を相続した場合、必ず行うべき手続きが「相続登記」です。これは新しい所有者として適切に不動産を管理し、将来的なトラブルを防ぐための重要なステップです。しかし、手続きは複雑で、書類の準備や記載ミス、提出先の選定など、つまずきやすいポイントが多くあります。ここでは、相続登記の基本的な流れと、専門家への相談のメリットについて解説します。

1. なぜ相続登記が必要なのか?

不動産の所有権は、登記をして初めて第三者に対する効力が発生します。つまり、相続登記を行わないと、新しい所有者として不動産を売買したり、賃貸したりすることができません。また、仮に複数の人が同じ不動産を購入しようとした場合、登記されていないと所有権を主張できなくなります。

相続登記を放置すると、将来的に遺産分割や相続争いが発生するリスクも高まります。大切な不動産を守るためには、早めに相続登記を行い、所有権を確定させることが不可欠です。

2. 相続登記の基本的な手順

相続登記にはいくつかのステップがあります。以下に、大まかな流れを紹介します。

(1) 必要書類の準備

  • 戸籍謄本:被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を取得します。
  • 登記事項証明書:不動産の最新の登記事項証明書を用意します。
  • 印鑑証明書:被相続人と相続人全員の印鑑証明書も必要です。

(2) 遺産分割協議書の作成

相続人全員で遺産の分割方法を話し合い、遺産分割協議書を作成します。協議書には相続人全員の署名と捺印が必要です。

(3) 相続登記申請書の作成・提出

法務局で申請書を入手し、必要事項を記載した上で、最寄りの法務局に提出します。記載漏れや書類の不備があると、再提出が必要になるため注意が必要です。

3. 相続登記が難しい理由

相続登記は、一見シンプルに思えるかもしれませんが、実際には戸籍謄本の取得方法登録免許税の計算、さらには申請書の記載方法が分からないなど、つまずきやすいポイントが多くあります。また、不動産が複数ある場合や、相続人が多数にわたる場合は、手続きがさらに複雑化することもあります。

4. 自分で相続登記を行うべきか?

「相続登記は自分で行えるか?」という質問をよく受けます。申請書が自分で書ける場合は、もちろんご自身で行うことも可能です。しかし、少しでも不安がある場合や、書類の準備に時間がかかる場合は、司法書士に依頼することをおすすめしています。特に、不動産が複数ある場合や、相続人間での調整が難しい場合は、専門家に依頼する方が安心です。

5. 行政書士と司法書士の役割

私たち行政書士は、相続に関する書類の作成や、遺産分割協議書の作成など、初期段階のサポートを行います。最終的な登記申請は、司法書士が行うことが多いです。このように、行政書士と司法書士が連携してサポートすることで、相続登記の手続き全体をスムーズに進めることができます。

6. 専門家に相談するメリット

相続登記は手間と費用がかかるものですが、大切な財産を守るためには避けて通れない手続きです。手続きに不安がある場合は、専門家に相談することで、手続き全体をスムーズに進められます。ぜひ、相続登記に関してご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。

まとめ

相続登記は、重要な財産を守るために欠かせない手続きです。複雑な書類作成や申請に不安を感じる方は、ぜひ専門家に相談して安心して手続きを進めましょう。私たちは、相続登記の手続き全般にわたってサポートいたしますので、遠慮なくお声がけください。

(2024年5月28日作成 / 2024年9月15日更新)

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この記事を書いた人

立神 彰吾

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保有資格
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(特定行政書士・申請取次行政書士)
宅地建物取引士資格(未登録)
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「最強の一問一答 
行政手続法・行政不服審査法編」
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(行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法)」