医療法務・相続専門の立神法務事務所の特定行政書士の立神です。
今回は、医療法人設立についてです。
クリニック開業して、法人成りでのお話です。
質問が来るのですが、一人医療法人は可能か?です。これについては可能です。
が、1人で全て出来るか?と言われると、出来ません。
都道府県自体が1人体制を認めていません。
例えば、千葉県ですが、理事3名以上、監事1名以上置くこととされております。
つまり、最低4名揃えないといけません。
医療法人でよくあることなのですが、理事長(理事)を自分、もう一人の理事を父、さらにもう一人の理事を知り合いの信頼できる人、監事を顧問税理士(若しくは税理士職員)の人という人選です。ただ、監事で顧問税理士(若しくは税理士職員)を認めない県庁等あるのでご注意。
千葉県は、理事3名のうち、1名以上は理事長と親族関係にない第三者を理事に選出しないといけませんので、知り合いの信頼できる人を人選を選出しました。(ここの人選は、理事長であるドクターがよく考えてください。)
医療法人設立許可申請する際にご注意があります。それは、許可申し込みが常時行われているわけではないこと。
自治体によって異なりますが、申請時期は年に2回か3回程度で、事前説明会、仮申請、事前協議などが必要です。(期間は全て込みで考えると約9か月程かかります。)
自治体の制度を必ず調べ、申請期間に必要な書類が整うようスケジュールを組み立てる必要があります。
申請書類は、例えば、設立認可申請書・定款・財産目録・財産目録の明細書・設立時の負債内訳表・残高証明書及び債務引継ぎ承認願・基金引受申込書・預金残高明細書・設立総会議事録及び設立趣意書・開設診療所の概要・案内図、敷地図・建物平面図など…
約30種の書面が必要であり、提出部数が3部のところもあるので、かなりの枚数です。
県庁等に持っていくにも、一苦労。
医療法人設立には、いろんな専門家たちの知恵や行動が必要となります。
ドクター自身が、本人で申請は可能ではありますが、犠牲が必ず出ます。
これははっきり言えます。上記書類1人で揃えられる?事前指導で、県庁等職員の対応できる?
間違いがあって、書類をすぐに準備出来る?などあります。
もし、私がドクターの立場でしたらこう言います。
無理です…。
なので、ここで専門家たちの出番なのです。