医療法務・相続専門の立神法務事務所の特定行政書士の立神です。

2024年4月1日より、相続登記の義務化が施行されました。この投稿は施行から約1週間程、経っています。本来なら4月1日に施行したからすぐに投稿すべきかと思うのですが、あえてしませんでした。それはなぜかと言いますと、以下のことが東京法務局のページにわかりやすく書いています。(https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/page000275.html

それが、

・相続(遺言も含みます。)によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。

・遺産分割が成立した場合には、これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、相続登記をしなければなりません。

・令和6年4月1日より以前に相続が開始している場合も、3年の猶予期間がありますが、義務化の対象となります。

ということです。つまり、3年間は大丈夫ということです。

他の士業の方は、すぐに相続登記すべきだと意見もあるかもしれませんが、私的には、そんな急ぐ必要はないと考えます。3年間の猶予があるからこそ、ちゃんと遺産分割協議すべきだし、相続書類も十分な時間があるからこそ用意ができる。そして、自分で相続登記を申請するなり、司法書士に頼むなりと考え、一呼吸おけます。

相続登記の義務化は、空き家問題で、所有者が不明で相続で分かりにくい状態が続くと、土地が管理されず放置され、近隣の住民に不安を与え迷惑をかけることまた、豪雨災害などの防災対策工事やその他の公共事業などが必要になっても所有者が分からないために、時間がかかることの対策としては、とても有用です。

私自身とてもいいと思いますが、考えるのはその現実性です。

例えば、ある田舎の土地をとって考えてみましょう。意外と、田舎の土地の登記上の所有者が3、4世代前の所有者ってことが結構あります。(この人誰?ということも多々あります。)

固定資産税を払っている方が、基本行動を起こすと思いますが、当然、相続人は多数で出来ます。しかも3、4世代前ですと、間違いなく相続人は多数出てきます。(ざっと20人近くは考えた方がよいかもしれませんね。)遺産分割協議を行おうとしてもかなり時間がかかるかもです。ひょっとしたら3年超えるかも…

その対策として、国は、簡易な手続きとして相続人申告登記を行ってくださいとありますが、この登記は本人申請で行うこと自体結構大変です。(自分が相続人の1人であることの戸籍関係全部を取得、さらに申請書の記入など)

自分が相続人と知ること自体無理がある場面もあり得ます。そこに、相続登記の義務化です。

現実的に考えて、一定数効果は発揮できますが、空き家問題となっている土地や建物は、複雑案件になっている可能性がとても高いです。複雑案件になっているからこそ相続登記が出来ないのではないのでしょうか?

相続登記をしなければ過料が発生(10万円以下)しますが、国は、実際相続登記しない場合どう対処するのでしょうか?全国の相続登記されてない土地の筆数かなりあるのですが…それを追っていくの大変なのでは?

こう思ってしまうことがありました。

相続が発生したら、一段落ついた後に行動をおこすことがとても重要ですね。

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この記事を書いた人

立神 彰吾

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保有資格
行政書士
(特定行政書士・申請取次行政書士)
宅地建物取引士資格(未登録)
書籍
「最強の一問一答 
行政手続法・行政不服審査法編」
「最強の一問一答 基礎知識編
(行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法)」