📘 遺言書の保管には2つの方法がある

保管方法内容メリット注意点
① 自宅で保管(従来型)自筆証書遺言を自宅などで本人保管無料・手軽に作成できる紛失・改ざん・発見遅れのリスクあり
② 法務局での保管制度(新制度)法務局が正式に保管(令和2年開始)安全・改ざん防止・家庭裁判所の検認不要手数料3900円/全国の法務局で申請

ポイント
近年は、法務局の保管制度を利用する方が急増中。
相続時のトラブルを防ぎたい方には特におすすめです。

🔍 法務局での遺言書保管制度の手続き

📄 申請の流れ

手続きのステップ内容
① 予約・申請書作成最寄りの法務局に予約し、申請書を提出
② 本人が法務局に出頭本人確認の上、遺言書を提出(代理不可)
③ 保管証の交付「遺言書保管証」が発行される(これが証明書代わり)
④ 相続開始後の閲覧・交付請求相続人が保管証をもとに閲覧・写し交付を請求できる

💬 豆知識
保管制度を利用していれば、家庭裁判所での検認が不要になります。
これは相続開始後の大きな時短ポイントです。

✉️ 遺言書を発見したときの正しい対応

自筆証書遺言を自宅などで発見した場合、開けずに家庭裁判所へ提出するのが正解です。

🚫 開封してしまうと、5万円以下の過料(民法第1005条)になることがあります。

📌 開封前にやることリスト

チェック項目対応内容
開封せずに保管状態をそのまま維持する
家庭裁判所を確認被相続人の住所地の管轄裁判所を調べる
他の相続人に連絡勝手に提出せず、全員に共有
専門家に相談行政書士・司法書士などに手続き確認

⚖️ 家庭裁判所での「検認手続き」の流れ

手続きステップ内容
① 申立書の提出家庭裁判所に検認申立書+戸籍などを提出
② 検認期日の通知裁判所から相続人に期日が通知される
③ 開封・内容確認裁判所書記官立ち会いのもと開封し、内容を確認
④ 検認済証明書の発行検認が完了すると証明書が発行される

💡 ポイント
検認は「遺言書の内容を確定する手続き」ではなく、
「改ざん・偽造を防ぐための確認」です。
相続内容そのものは別途協議が必要になります。

⚠️ 注意!こんなケースはトラブルになりやすい

ケース想定される問題対応策
自宅保管の遺言が見つからない紛失・廃棄の疑い保管制度の利用で防止
封筒が破れている・開封済み無効の可能性あり家庭裁判所に早めに相談
保管証を紛失した閲覧請求に時間がかかる再交付を申請可能
遺言内容が不明確相続人間で解釈トラブル専門家に内容確認を依頼

🪶 まとめ|「保管」と「開封」を正しく行えばトラブルは防げる

遺言書は「書いたあと」も大切です。
保管の方法・開封の手順・家庭裁判所の流れを理解しておけば、
あなたの意思が確実に伝わる相続が実現します。

💬 行政書士からのアドバイス

  • 法務局の保管制度を積極的に活用する
  • 遺言書を見つけたら絶対に開けずに家庭裁判所へ
  • 不安な場合は専門家に確認してから行動を
累計1万件以上の
相談実績!

他の事務所で解決できなかった事案でも、
行政書士立神法務事務所へお気軽に
ご相談ください。

043-309-7517 受付時間 平日9:00~17:30
この記事を書いた人

立神 彰吾

相続・遺言・生前対策などの法務相談を中心に、これまで累計1万件以上のご相談に対応。
立神法務事務所では、“相談しやすさ”を何より大切にしたサポートを心がけています。専門用語を並べるのではなく、「どうしてそうなるのか」がわかるよう背景や理由も交えて説明。
メリット・デメリットを丁寧にお伝えし、 お客様と一緒に、最適な方法を探していきます。

保有資格
行政書士
(特定行政書士・申請取次行政書士)
宅地建物取引士資格(未登録)
書籍
「最強の一問一答 
行政手続法・行政不服審査法編」
「最強の一問一答 基礎知識編
(行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法)」