「もう二度と顔も見たくない!」

家族関係がこじれ、「絶対に相続させたくない相続人」がいる場合…
つい、遺言書に「この人には一切渡さない!」と書きたくなるものです。

でも、実はそれだけでは法的には意味がない場合が多いんです!

この記事では、「相続人廃除」の基本知識と手続きの流れ
そして感情だけで遺言を書いてしまったときの落とし穴について、
わかりやすく解説します。

✅ 相続人を排除するにはどうする?

👥 「相続人廃除」とは?

相続人を法的に相続権から外すには、
「相続人廃除(はいじょ)」という正式な手続きが必要です。

📌 対象となるのは「遺留分を持つ相続人」

具体的には次の人たちが対象です。

廃除対象になる人
配偶者
子ども
親(直系尊属)

※兄弟姉妹には遺留分がないため、原則として廃除手続きは不要です。

📌 廃除が認められる理由(民法第892条)

廃除できるのは次のような場合に限られます。

✅ 被相続人に対する虐待
✅ 被相続人への重大な侮辱
✅ 著しい非行(犯罪行為など)

つまり、ただ「仲が悪い」「嫌い」というだけでは認められません。

✅ 感情的な記述だけではダメな理由

📄 よくあるNG遺言例

❌ 「長年家族に迷惑をかけたので相続させない」
❌ 「絶縁したので一切の財産は渡さない」
❌ 「私を苦しめたから排除する」

これらは「単なる感情論」「具体性なし」と判断され、
最終的に
裁判所で認められないケースがほとんどです。

⚖️ 実際の廃除手続きは「家庭裁判所」が決定する

廃除は次の2パターンで行います。

方法内容
生前廃除被相続人が生前に裁判所に申し立て
遺言による廃除遺言書で「○○を廃除する」と明記→死後、遺言執行者が裁判所に申立て

重要なのは、最終的な判断は家庭裁判所が行うという点。
単に遺言書に書いただけでは、自動的には廃除されません。

✅ 廃除手続きの具体的流れ

以下、「遺言による廃除」の場合の流れを紹介します。

📝 手順①:遺言書に「廃除したい相続人」を明記

✅ フルネーム、続柄など、誤解のないよう明確に記載
✅ 理由も簡潔に具体的に書く(例:「暴力行為があったため」など)

📝 手順②:遺言執行者が裁判所に「廃除申立て」

✅ 被相続人が死亡したあと、
✅ 遺言執行者が家庭裁判所に「廃除の申立て」を行います。

📝 手順③:裁判所の審査・決定

✅ 証拠資料(警察の記録、診断書、証言など)が必要になることも。
✅ 対象の相続人から「反論」が出る場合もあります。
✅ 裁判所が最終的に「廃除の可否」を判断。

📝 手順④:廃除が認められた場合

✅ 法律上、その相続人は初めから相続人ではなかった扱いになります。
✅ 相続順位が変わる場合もあります(次順位に相続権が移る)。

✅ まとめ:「感情」だけでは相続人を外せない

単なる絶縁宣言や感情的な記述だけではNG!
法定の手続き(家庭裁判所の判断)が必須
証拠資料や専門家のサポートがあるとスムーズ

もし「本気で相続権を外したい相続人」がいるなら、
今すぐに行政書士や弁護士など、相続の専門家に相談することをおすすめします😊