「親が亡くなったけれど、遺言書が見つからない…
「財産をどう分けたらいいのかわからない」

実は相続手続きで最も多いケースが、遺言書がない状態での相続です。
この記事では、そんなときにどう動けばいいのか、流れ・注意点・実際の進め方をわかりやすく解説します。

🔍 遺言書がないとどうなる?

遺言書がない場合は、民法のルールに従って相続することになります。
これを「法定相続」と呼びます。

つまり、

  • 誰が相続人になるか(法定相続人)
  • どのくらいの割合でもらえるか(法定相続分)
    は法律で決まっているのです。

👪 法定相続人と相続分の例

相続人の組み合わせ誰が相続人か法定相続分
配偶者と子どもがいる配偶者と子ども全員配偶者1/2、子ども全体で1/2
配偶者と親(直系尊属)配偶者と親配偶者2/3、親1/3
配偶者と兄弟姉妹配偶者と兄弟姉妹配偶者3/4、兄弟姉妹1/4
子どもだけ子ども全員均等に分割

📌 配偶者は常に相続人になります。

📝 遺言書がないときの相続手続きの流れ

  1. 相続人の確定
     戸籍を取り寄せて、誰が相続人なのか調査します。
     👉 亡くなった方の「出生から死亡まで」の戸籍が必要です。
  2. 相続財産の調査
     預貯金・不動産・有価証券・借金など、すべての財産を洗い出します。
     👉 不動産の登記簿、銀行口座の取引明細などが必要になることも。
  3. 遺産分割協議(全員で話し合い)
     誰がどの財産を受け取るかを相続人全員で決定します。
     👉 全員の合意が必要で、1人でも反対すれば前に進みません。
  4. 遺産分割協議書の作成
     決まった内容を書面にまとめ、相続人全員が署名・押印します。
     👉 銀行や法務局で必要になる正式書類です。
  5. 名義変更・相続登記などの実務処理
     不動産の名義変更や銀行口座の解約・払い戻し手続きをします。

⚠ 注意点|遺言書がないと起きがちなトラブル

⚠ ① 相続人同士の話し合いがまとまらない

遺産分割協議は全員一致が原則です。1人でも「納得できない」と言えば、話は進まず、調停や裁判に発展するケースも…。

⚠ ② 財産の存在に気づかないまま手続きを進めてしまう

不動産・生命保険・ネット銀行・株式など、見落としがちな財産は多いです。後から見つかった場合、再度協議が必要になることも。

⚠ ③ 相続登記を放置して後々面倒に

相続登記(不動産の名義変更)は2024年4月から義務化されました。
放置すると10万円以下の過料の対象になる場合もあります。

💡 相続の専門家に相談するメリット

  • 相続人の調査や財産確認を正確にスピーディーに進められる
  • 遺産分割協議書の作成や手続き代行でトラブルを予防できる
  • 第三者が入ることで、感情的な対立を緩和しやすい

📌 特に遺言書がない相続は「相続人全員の合意」が必要になるため、専門家のサポートがあると安心です。

✅ まとめ|遺言書がなくても落ち着いて手続きを

  • 遺言書がない場合、相続は法律に基づいて進める
  • 全員の合意で「遺産分割協議書」を作成することが重要
  • トラブルを防ぐには、早めの調査と専門家への相談がカギ