📖 借金も相続財産になるって本当?
はい、本当です。民法上、相続はプラス財産もマイナス財産も一括して承継します。
つまり、預金や不動産だけでなく、
- 消費者ローン
- 住宅ローン残債
- 事業借入
- 未払いの税金や医療費
も、自動的に相続の対象となります。
⚖️ 借金がある場合の遺産分割協議の意味
遺産分割協議では「誰が何を相続するか」を話し合いますが、借金は分割協議で消せるものではありません。
- 借金は相続人全員が法定相続分に応じて負担
- 「不動産は長男、借金は次男」などの割り振りは法律上は無効(あくまで内部約束)
👉 つまり、借金があるかどうかを事前に把握しないと、協議自体がリスクになる可能性があります。
🛡️ 借金回避のための2つの制度
① 相続放棄(シンプルな回避策)
- 期限:被相続人が亡くなった日から3か月以内
- 家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出
- 一度放棄すると、一切の財産(プラスもマイナスも)を相続しない
- 注意:期限を過ぎると自動的に相続した扱いに
② 限定承認(借金を財産の範囲内で返す)
- 相続財産の範囲内で借金を返済し、余りがあれば相続できる制度
- 全相続人が共同で申請する必要あり
- メリット:プラスが残る可能性
- デメリット:手続きが煩雑で費用もかかる
🔍 知らずに借金を相続してしまうケース
- 名義貸しや連帯保証
→ 契約内容を知らないまま保証人になっている場合も - 事業用借入
→ 中小企業経営者は特に要注意 - クレジットカードのキャッシング枠
→ 残債があっても見落としがち
🤝 家族間での情報共有が命
負債相続を防ぐには、亡くなる前から家族で財産状況を共有しておくことが大切です。
- 借金やローンの契約書の保管場所を共有
- 定期的に家計状況や事業借入を確認
- 急な相続でも情報がすぐ出せる状態にしておく
📝 実例
父が亡くなり、兄弟3人で遺産分割協議を開始。
預金1,200万円と家があると思っていたが、実は事業用借入2,000万円が判明。
協議どころではなく、全員で相続放棄を選択した結果、借金を背負わずに済んだ。
🎯 まとめ
- 借金も立派な「相続財産」
- 遺産分割協議の前に必ず負債の有無を確認
- 相続放棄や限定承認を正しく使えばリスクを回避できる
- 情報共有がトラブル回避の最重要ポイント