✅ はじめに:遺産分割協議、終わって安心…はまだ早い!

「親の遺産分割協議が無事に終わったから、これで一安心!」
…本当にそうでしょうか?

実は“二次相続”を見落とすと、数年後に兄弟同士で揉める火種を残すことになります。

特に今のご家族構成は、

  • 兄弟姉妹が複数いる
  • 高齢の母親(または父親)が配偶者として残っている
  • 将来の相続人に孫世代が出てくる

こういった場合には、一次相続(親の死亡時)だけでなく、将来の“二次相続”も考慮した分け方が大切なんです。

❗そもそも「二次相続」とは?

「一次相続」はたとえば父親が亡くなったときの相続
「二次相続」はその後、母親が亡くなったときの相続です。

一次相続で配偶者(母)が財産を多く受け取った場合、
その後の二次相続では兄弟だけで分けることになるため、
課税額が大きくなったり、配分で揉めたりするケースが多いのです。

🔥 なぜ“二次相続”を考えずに遺産分割すると揉めるのか?

💥よくあるパターン

ケース一次相続時の分け方二次相続時に起きる問題
父の財産をすべて母が相続税金ゼロでスムーズ母の死後、兄弟で争う可能性大
長男が不動産を相続家は守れるが、現金が足りず不公平感次回の分割時に「前もらったでしょ」問題が勃発
とりあえず仲良く“法定割合で分ける”その場は丸く収まる将来的に「お母さんの介護、誰がやった?」論争へ

🧠 行政書士の視点:二次相続を見越した「三つの視点」

① 【税金の視点】二次相続の方が相続税が高くなる可能性

一次相続では配偶者控除で相続税がゼロになることも多いですが、
二次相続ではその特典がなくなります。

結果、兄弟全員がそれぞれ多く課税されることも。

② 【家族関係の視点】親がいなくなると、兄弟仲が急にギクシャク

「親がいる間はなんとなくまとまってた」兄弟も、
二次相続になると直接対立になりがちです。

介護・同居・支援の差があった兄弟間で、「公平感」のズレが爆発することも…。

③ 【分け方の視点】相続財産の配分で“将来の余白”を残す

・不動産を特定の人に相続させる
・現金は柔軟に配分できるように遺す
母の生活費+将来の分配原資としてバランスを取る

こうした配慮で、二次相続時の争いを回避できます。

🌈一次相続 vs 二次相続の違い

視点一次相続(例:父)二次相続(例:母)
課税対象配偶者控除あり兄弟姉妹のみ課税
相続人母+子どもたち子どもたちのみ
財産の種類自宅・預金・株式など主に預金・残った不動産など
争いの火種少なめ(母がまとめる)多い(直接対立)

💡 ポイント: 二次相続では“親のワンクッション”がないため、兄弟間の直接交渉になる=トラブルになりやすい

💬 まとめ:遺産分割協議こそ、“次”を見て分けよう!

✅ 遺産分割協議では、今だけでなく
✅ 「5年後・10年後の家族関係」も見越して
兄弟で争わない未来をデザインすることが大切です。

家族の仲が良いうちに、専門家に相談して“争わない分け方”を設計しておくのが一番安全です。