💡 はじめに|その遺言書、本当に有効ですか?

「とりあえず自分で遺言書を書いておいたから、これで安心」
「市販のエンディングノートに財産の分け方を書いておいたから大丈夫」

…そう思っている方、要注意です!

実は、裁判所で「無効」と判断される自筆遺言書が後を絶たないのが現実。

内容がどんなに立派でも、法律の形式ルールを守っていなければ、すべてが“紙くず扱い”になってしまうことも…。

この記事では、

実際によくある「遺言書が無効になる事例」
家庭裁判所での検認時に起こりがちなトラブル
今すぐできる“有効な遺言書作成”のポイント

をわかりやすく解説します。

✅ よくある!「遺言無効」と判断される5つのパターン

🚩 事例1:日付が抜けている・不明確

NG例:
「令和〇年〇月」までしか書かれていない
「春の日に」など、曖昧な表現

裁判所判断:
無効!

✅【理由】
遺言書には「年月日を特定できる記載」が必須(民法968条)。

🚩 事例2:署名がない or フルネームじゃない

NG例:
「父」などの呼称だけ
「イニシャルのみ」

裁判所判断:
無効!

✅【理由】
「自筆による署名」が必須条件です。

🚩 事例3:代筆・パソコンで作成

NG例:
ワープロ打ち
他人が代筆した文面

裁判所判断:
無効!

✅【理由】
全文、日付、署名、押印は「本人の自筆」でなければダメ」(2020年法改正で財産目録だけはパソコンOKになりましたが、それ以外は依然として自筆必須)。

🚩 事例4:「押印漏れ」

NG例:
サインだけで印鑑なし
印影が不鮮明

裁判所判断:
→ 厳密には絶対無効ではないが、後日トラブルのもとに。

✅【理由】
押印は推奨されており、なければ「本当に本人の意思か?」と争われやすくなる

🚩 事例5:「加筆・訂正方法が不適切」

NG例:
訂正箇所を二重線で消しただけ
訂正印なしで文章を追加

裁判所判断:
訂正部分は無効!最悪、全体が無効になるリスクも!(但し、全体の趣旨で認められる場合も)

✅【理由】
訂正する場合は「訂正箇所を明記して訂正印を押す」など、法律で定められたルールあり

✅ 【ここが落とし穴】検認手続きでもトラブル続出!

自筆証書遺言は、相続開始後に家庭裁判所で「検認手続き」を受けなければ使えません。

このとき、次のような事態がよく起こります。

  • 「封が開いていたから無効では?」
  • 「書き直した形跡がある!信用できない!」
  • 「筆跡が違う気がする…!」

その結果、検認が遅れ、相続手続き全体がストップするケースも。

✅ 【実践編】無効を防ぐための3つの対策

🎯 対策1:「遺言書の方式ルール」を必ず守る

最低限守るべき民法上のルールは以下。

  • 全文を自筆で書く(※財産目録はパソコンでも可)
  • 明確な日付を入れる
  • 自署・押印を忘れない
  • 訂正時は法定の訂正方法で!

🎯 対策2:「法務局の遺言書保管制度」を活用

2020年から始まった制度。

✅ 家庭裁判所の検認が不要
✅ 紛失・改ざんのリスクなし
✅ 書式チェックもしてもらえるので安心感大

👉 「法務局保管の自筆証書遺言」なら、検認不要でスムーズ相続

🎯 対策3:「公正証書遺言」で絶対安心を選ぶ

最も安全で確実な方法。

✅ 公証人が内容と方式をチェック
✅ 証人2人の立ち会いで作成
✅ 原本が公証役場に保管され、紛失リスクゼロ

特に次のような方は公正証書遺言がおすすめです。

✅ 相続人同士の仲が悪い
✅ 財産額が多い
✅ 不動産が絡む
✅ 遺留分対策が必要

✅ まとめ|「書いただけ遺言書」では家族を守れない!

  • 「自分で書いたからOK」は大間違い!
  • 法的形式不備で「裁判所で無効判定」される事例が多数
  • 法務局保管制度や公正証書遺言など、安全な作成方法を選ぶのが家族への思いやり

「あとで家族が困らないために」
今のうちに、確実で有効な遺言書を準備しましょう!