「家族信託」という言葉を最近耳にするけれど、仕組みや登場人物についてはよくわからない…そんな方も多いのではないでしょうか。
この記事では、家族信託に関わる3人の役割と注意点をやさしく解説します。
✅ 家族信託には「3人のキーパーソン」が登場します
家族信託は、財産を家族に「託す」仕組みです。
でも、実際にはどんな人が関わるのでしょうか?
信託には、基本的に以下の3人が登場します。
役割 | 担当すること | 例(親子の場合) |
---|---|---|
委託者 | 財産を託す人 | 親(財産を持っている人) |
受託者 | 財産を預かる人 | 子(管理を任される人) |
受益者 | 利益を受ける人 | 親(引き続き使う人) |
🧑🦳 委託者:財産を託す「もともとの持ち主」
委託者は、信託契約をスタートする人。
たとえば、自分の不動産や預金などを、信頼できる家族に託したい親御さんが該当します。
委託者は、次のような思いで信託契約を考えることが多いです:
- 認知症になっても、家族に管理を任せたい
- 子どもに迷惑をかけたくない
- 自分の意向を生前のうちに形にしたい
📌 ポイント:
委託者は契約当初、自分で財産をコントロールできますが、信託後は原則として直接動かすことができなくなります。
👨👩👦 受託者:託された財産を管理・運用する人
受託者は、実際に財産を預かって管理する役目です。
多くの場合、子どもや信頼できる親族が選ばれます。
受託者は、「信託契約で決めたルール」に従って動く義務があり、自分勝手な使い方はNGです。
📌 ポイント:
- 受託者には「信託口口座」や「信託登記」など、形式面の手続きが求められることがあります。
- 信頼関係が崩れると、トラブルの原因になることも。
👴 受益者:財産の「利益」を受ける人
受益者は、信託された財産から生まれる利益(例:賃料、生活のための支出など)を受け取る人です。
多くのケースでは、委託者=受益者になります。
たとえば、自宅を信託して子が受託者になっても、親がそのまま住み続ける場合、親が受益者という形になります。
📌 ポイント:
- 受益者は、誰を設定するかによって相続税や所得税に影響が出る場合もあるため、専門家と設計を。
⚠️ 家族信託でよくある注意点
- 受託者が一方的に得をする契約になっていないか?
→「公平性」と「信頼」がカギです。 - 当事者間で役割をしっかり理解できているか?
→言葉だけでなく、「何をやるのか」を具体的に伝え合うことが大切。 - 第三者(他の家族)の納得感があるか?
→後々のトラブル防止のため、透明性が重要です。
📝 まとめ:信頼関係をベースに、正しく役割を設定しよう
家族信託は、委託者・受託者・受益者という3人の関係がうまく機能することで、初めて意味を持ちます。
難しそうに感じるかもしれませんが、ひとつひとつの役割を知れば、家族信託はもっと身近で安心な制度になります。
契約を検討する際は、それぞれの立場の責任とリスクも一緒に考えることが大切です。