🏡 不動産のある相続では「協議書の書き方」が特に重要!


不動産をどう分けるか?」は、遺産分割の中でも特にトラブルが起きやすいポイントです。

土地や建物は預金のように簡単に分けられないため、登記・税金・利用価値など多くの観点をふまえた対応が必要になります。
この記事では、「不動産が含まれる遺産分割協議書」を作成する際の注意点や具体的な分け方について、やさしく解説します。

✅ 不動産が含まれるときの遺産分割方法とは?

不動産の分け方にはいくつかの代表的な方法があります。

① 現物分割

内容:
相続財産をそのままの形で分ける方法。
→ 例:土地は長男、家屋は次男

メリット: 手続きがシンプル、納得しやすい
デメリット: 分け方によっては不公平感が出やすい

② 代償分割

内容:
一人が不動産を相続し、その代わりに他の相続人に金銭などで“代償”を支払う方法。

例:
長女が実家を相続し、弟には現金300万円を支払う

メリット:

  • 不動産を無理に共有にしなくて済む
  • 相続人間の調整がしやすい

デメリット:

  • 代償金の支払い能力が必要
  • 将来的な不満の芽が残ることも

③ 共有分割

内容:
相続人が不動産を共有名義にする方法。

メリット: 分け方のバランスがとりやすい
デメリット:

  • 将来の売却・利用に制限が出る
  • 共有者が亡くなるとさらに相続が発生し、名義が複雑化する

できるだけ避けた方が無難とされる分け方です。

④ 換価分割

内容:
不動産を売却して現金化し、それを分配する方法。

メリット: 平等に分けやすい
デメリット: 売却までに時間がかかる/想定より低く売れることも

📝 協議書を作るときの具体的な注意点【不動産編】

📌 不動産の記載は「登記簿通り」に正確に

協議書には、不動産を以下のように「登記簿通りの表記」で正確に記載しましょう。

所在:千葉県佐倉市○○
地番:○番○
地目:宅地
地積:○○平方メートル

→ 不動産の「表題登記情報」と一致させることで、登記変更手続きがスムーズに進みます。

📌 登記を忘れると「相続人全員の共有状態」のままに…

遺産分割協議書だけでは名義は変わりません。
実際に相続人名義にするには、法務局での相続登記が必要です。

✨ 2024年4月から、相続登記は「義務化」され、3年以内にしないと過料(罰金)の対象に!

📌 代償金を支払う場合は、金額・時期を明確に!

協議書内では「誰がいくらを、誰に、いつまでに払うか」を記載しないと、後から「言った・言わない」で揉める原因になります。

長男〇〇は、本件土地を取得する代償として、次男△△に金300万円を令和○年○月末までに支払うものとする。

📌 共有にする場合のリスクも書面で共有しておく

将来的なトラブル防止のため、「将来売却の予定がある」「持分割合は○:○にする」などを協議書で確認しておくことも有効です。

👨‍👩‍👧‍👦 実家の相続で揉めないためのひと工夫

  • 実家を誰が相続するかは、感情的な問題にも発展しやすい
  • 「誰が住むか」「今後どう使うか」までを明確にすることで、揉めごとを未然に防止できます

🏠 実家=思い出の場所。だからこそ、「公平に、かつ現実的に」話し合いを。

📘 まとめ|不動産の相続は協議書で明暗が分かれる

注意点内容
登記簿通りの表記地番・地目などを正確に記載
登記の実施協議書作成後、法務局での登記が必要
代償分割の記載金額・時期を明確に記載する
共有リスクできるだけ避ける or 合意内容を協議書に添える