💡「相続は法律通りに分ければ簡単でしょ?」…それが通じないのが現実です
遺産分割協議と聞くと、多くの方が
「法定相続分に沿って分ければいいだけ」と思いがちです。
ですが、現場ではこんな声が飛び交います。
- 「介護してたのは私だから、もっともらって当然」
- 「親に何もしてこなかったあの人が、平等なんておかしい」
- 「兄は大学まで出してもらった。私は高卒。なんで同じ取り分なの?」
そう、相続人の“感情バランス”こそが、分割協議を複雑にしているのです。
🧠 法定相続分とは?まずは基礎をサクッとおさらい
✅ 法定相続分とは?
民法で定められた「誰がどれだけ相続するか」という基準のことです。
たとえば、配偶者と子が相続人の場合、
配偶者が1/2、子どもが残りの1/2を人数で均等に分けます。
ですが、これは“原則的な取り分”にすぎません。
遺産分割協議では、相続人全員が話し合って自由に割合を変えることが可能です。
😡 「私は親の世話をした」その感情が話し合いを壊す
法定相続分が「平等」であっても、相続人の“貢献度に対する納得感”がないと、話し合いはすぐにこじれてしまいます。
💢 典型的な“感情トラブル”の例
感情の火種 | 実際によくあるセリフ |
---|---|
🧓 介護の不満 | 「私が最後まで介護したのに、相続は等分なんて…」 |
💸 金銭的不公平 | 「兄は親から生前に車を買ってもらった!」 |
🛠 生活支援の差 | 「あの人、ほとんど帰省もしてないじゃない」 |
こうした感情は、「法定相続分では納得できない」という心理を生み、協議が平行線になります。
⚖️ 法律では“寄与分”や“特別受益”という考え方もある
実はこうした不満に一定の配慮をする制度もあります。
✅ 寄与分とは?
介護や家業手伝いなど、他の相続人より明らかに貢献した相続人に多めに分けられる仕組みです。但し、裁判所に認められない傾向が高いです。
✅ 特別受益とは?
生前に親から家や多額の援助を受けた相続人がいれば、すでにもらった分を差し引いて分けようという考え方です。
💡 これらを正しく主張・調整すれば、“感情的な不公平感”を少し和らげることができます。
👥 感情がこじれると起こる現実のトラブル
🚫 遺産分割協議がまとまらない
全員の合意が必要な遺産分割協議。
たった一人が反対するだけで、不動産も預金も手つかずのままということに。
🏛 家庭裁判所での調停・審判に発展
感情がこじれきってしまうと、家庭裁判所に持ち込むしかないケースも。
時間もお金も精神力もかかるため、本来の「相続するメリット」が薄れてしまうことも。
✨ 感情トラブルを避けるための3つの対策
✅ 1. 感謝の言葉と配慮を忘れない
たとえ自分が納得していなくても、まずは相手の立場に耳を傾けましょう。
「ありがとう」「お疲れ様」の一言が、争族を防ぎます。
✅ 2. 寄与分や特別受益の正しい整理
主観だけでなく、証拠(通帳・介護記録など)を用意して、第三者にも納得できる形にすることが大切です。
✅ 3. 専門家を入れて冷静に調整する
行政書士などの専門家は、感情に左右されず、公平な視点で進行をサポートしてくれます。
話し合いがこじれる前に、早めに相談するのがベストです。
📌 まとめ:法定相続分よりも大切なのは、“気持ちの整理”
相続は、単なる財産の分配ではなく、
家族それぞれの人生と関わりを振り返る“心の決算”でもあります。
法律だけを押し通しても、感情が置いてけぼりでは協議はうまく進みません。
👪 円満な相続のために——
- 感情を認め合い
- 客観的に整理し
- 専門家の助けも活用する
“争族”ではなく、“思いやりのある相続”を目指していきましょう。