💡 はじめに|単独より「セット」で使う時代に
「家族信託」と「任意後見」――
それぞれ違う制度ですが、目的がかぶる部分も多く、補い合える関係です。
単独利用 | 主な限界 |
---|---|
家族信託のみ | 身上監護(介護契約など)ができない |
任意後見のみ | 財産の自由な管理・承継設計は難しい |
そこで注目されているのが、“ダブル契約”と呼ばれる、
「任意後見契約+家族信託契約」という組み合わせです。
🧩 それぞれの役割と強み|図解で比較!
📊 2制度の役割早見表
機能・目的 | 家族信託 🏠 | 任意後見 📝 |
---|---|---|
財産管理 | ◎ 不動産・預金・株式などを契約通りに管理できる | ◯ 一定の範囲で可能(裁判所の監督あり) |
財産の承継(相続設計) | ◎ 次の受益者(財産の受取人)を契約で指定できる | × 相続設計はできない |
医療・介護契約 | × 不可(法的代理権がない) | ◎ 本人に代わって施設契約や医療手続が可能 |
判断能力低下時の効力 | ◯ 発効済み(契約時点で効力がある) | ◎ 判断能力が低下した時点で発効 |
裁判所の関与 | × なし | ◯ 任意後見監督人が家庭裁判所から選任される |
📚 実例で学ぶ!組み合わせのメリット
👨👩👧👦 ケース:高齢の父に万一があったとき、息子が困らないために…
背景
- 父(80歳)、一人暮らし
- 自宅の管理や将来の売却の可能性あり
- 判断能力が徐々に不安になってきた
対策
- 家族信託契約で、不動産と預貯金の管理権限を息子に託す
- 任意後見契約で、将来認知症になった際の介護・施設契約に備える
結果
- 息子が信託契約により、早めに自宅の管理・売却ができる
- 認知症が進んだ後は、任意後見が発効し、施設入所や医療手続きもスムーズに
✨ ワンポイント
信託は「お金・不動産の管理」、後見は「生活や医療の支援」
→ それぞれの得意分野を任せ合う設計がポイントです。
✅ 実際の組み立て方|3ステップでOK
🧱 STEP1|家族信託契約を結ぶ
- 財産の管理・承継先を設計(特に不動産の扱い)
- 家族が「受託者」になり、管理を開始
✍ STEP2|任意後見契約を結ぶ
- 家族を「任意後見人」に指名
- 将来、判断能力が低下したときに効力を発揮
👀 STEP3|見守り契約もプラスで安心
- 専門職が定期訪問し、健康状態や判断能力の変化を見守る
- 後見発効のタイミングを見逃さない
💬 よくあるご質問(Q&A)
Q. 任意後見と家族信託、契約は同時にしないといけませんか?
→ 同時でなくてもOKですが、一括して設計する方がスムーズです。
Q. 家族信託があれば、後見は不要では?
→ 家族信託では「生活支援・医療判断」はできません。後見との併用で万全になります。
Q. 専門家に頼むと費用が高そう…
→ セット設計のほうが結果的にコストパフォーマンスが高いケースが多いです。
📝 まとめ|「任せる」と「支える」をセットで考える時代へ
✅ ポイントまとめ |
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家族信託は「財産を任せる」制度! |
任意後見は「生活・医療を支える」制度! |
両方の視点で設計すれば、将来の安心感が段違い! |
元気なうちに契約を整えておくことが最大のポイント! |