🐾 ペットも「家族」…でも法律上はどう扱われるの?

近年、犬・猫などのペットを家族同然に大切にしている方が増えています。
しかし、飼い主が亡くなったとき、ペットの扱いが意外と問題になることがあるのをご存じでしょうか?

実は、ペットは法律上「物」として扱われるため、遺産としての取り扱い方にも注意が必要なんです。

今回は、「ペット相続」について、相続人同士のトラブルになりやすい場面や、遺産分割の注意点をわかりやすく解説します。

⚖️ ペットは法律上「動産」=つまり“モノ”扱い

まず押さえておきたいのは、

ペットは法律的には「動産」=財産の一部

という扱いになります。

つまり、ペットは“誰が相続するのか”を決めなければならない対象になるということです。

でも、ここで問題になるのが…

❗「誰が引き取るか」でモメる3つの理由

① 世話をする人がいない

遺族の中にペットを飼える環境の人がいないと、
「誰が引き取るの?」「私は無理」「え、私も?」と押し付け合いになるケースがあります。

② 世話をめぐって金銭トラブルに発展

ペットを引き取る人が「だったら遺産を多めにもらいたい」と言い出すこともあります。
一方で他の相続人が「そんなの自己責任でしょ」と反発して、感情的な対立に発展することも。

③ 希少・高額なペットは“モノ”として取り合いになる

血統書付きの犬や、希少な猫などを「財産」として評価しようとする人も。
「高かったから現金と同じ価値がある」と言い出す相続人が出て、遺産分割でモメる要因になります。

📜 遺言書がないと、ペットの将来があやうくなる

被相続人(亡くなった方)が「この子は○○に託したい」と遺言を残していればトラブルは防げます。

でも、実際には

「そんなの、自然に誰かが面倒見てくれるでしょ」

ノータッチのまま他界してしまうケースが多いのが現実です。

💬 そして結果的に、誰も責任をもたず、ペットが施設に送られたり、最悪の場合…という事態も。

🐶 ペットと遺産分割で注意すべき3つのポイント

✅ 1. ペットを“誰が引き取るか”を明確にしておく

遺産分割協議書に「ペット(名前・種類)を○○が引き取る」と明記することで、
今後のトラブルや押し付け合いを防げます。

✅ 2. ペットの引き取りに伴う“費用”も考慮する

犬や猫を10年以上飼えば、エサ代・医療費・介護費用などで100万円を超える場合もあります。
その負担を見越して、「ペットを引き取る代わりに○○円を追加で相続する」という形で調整することも可能です。

✅ 3. できれば「負担付き遺贈」や「信託」も検討を

被相続人が遺言書で

「Aにペットを引き取ってもらう代わりに、生活費として○○万円を渡す」

という形で記載すれば、生前から安心して託すことができます。

より複雑なケースでは、ペットのための信託契約を使う選択肢もあります。

👣 ペットと共に生きる家族こそ、早めの準備を

相続の場では、「家族の一員」であるペットが思わぬ火種になることがあるのです。

  • 誰が引き取るか?
  • その費用はどうするか?
  • トラブルにならないように明記しておくには?

これらを考えるのは、ペットを愛してきたあなたにしかできないこと

「動物は物だから…」ではなく、
“最後まで守る”という意思を、遺言や協議の形にして残すことが、何より大切です。