「父の遺産は家しかないし、長男が引き継げばいいよね」
こうした“なんとなくの慣習”で決まる遺産分割。
でも、ちょっと待ってください。
その分け方、数年後の「二次相続」で地雷を踏む可能性が高いんです。
この記事では、不動産を長男が相続した家庭で起きがちな
「二次相続でのトラブル・税金問題・兄弟不和」などのリスクと、
その対策を具体的にわかりやすく解説します。
🏠「家は長男に」はまだ根強い価値観
地方ではいまだに多いこの考え方。
- 「長男が墓守をするから」
- 「家は長男のものというのが普通」
- 「他の兄弟も納得してくれるだろう」
しかし、実際にはこの考えが将来のトラブルの“火種”になることも。
💥二次相続で起こりがちなトラブル事例
📌 ケース:父が死亡 → 家は長男へ、他は母が相続
項目 | 内容 |
---|---|
相続人 | 母・長男・次男 |
財産 | 自宅(評価額3000万円)+預金1000万円 |
遺産分割 | 家を長男に、預金は母へ |
一次相続税 | なし(配偶者控除あり) |
その後 | 母が死亡 → 残る財産は預金1000万円弱 |
👉 結果:次男には何も残らず、大揉め…!
なぜ“家を長男に”が二次相続の地雷になるのか?
⚠️ 1. 「不平等感」が強くなる
長男が家を相続していた事実が、
二次相続のときになって他の兄弟の不満を引き起こすケースは多いです。
「長男はもう家もらってるのに、母の預金まで多く取ろうとしてる!」
このように、過去の分け方が蒸し返されて感情的な対立に。
⚠️ 2. 相続税の負担が長男に集中しやすい
不動産は評価額が高く、相続税もかかりやすい資産。
二次相続でその家を引き継いだ長男が、
相続税の支払いに困るという事態も珍しくありません。
項目 | 内容 |
---|---|
家の評価額 | 3500万円(母の死亡時) |
預金 | 少額(500万円程度) |
相続税 | 約300万円発生 |
長男の負担 | 家はあるが現金が足りず、税が払えない…! |
⚠️ 3. 実質的に“家しかない”と遺産が分けづらい
家しか残っていないと、次のような問題が出ます:
- 売却しないと分けられない
- 他の兄弟に現金を渡せない
- 家を売るには長男の同意が必要
- 感情面から協力が得られないことも…
つまり、換金できない資産を一部の人が持っている状態は、後々揉めやすいのです。
✅「家を長男に」で後悔しないための3つの対策
✔ 1. 一次相続の段階で兄弟の理解を得ておく
- 家を長男に渡す代わりに、生前贈与や他の財産で調整
- 「家をどうするか」について、将来の相続人みんなで話し合う
→ 感情面の納得があるだけで、のちのトラブルは大きく減ります!
✔ 2. 遺言書や家族信託を活用
「長男が住み続けていいけど、最終的に売却して全員で分ける」など、
母が生前に明確に意思表示しておくことで、分割のルールが明確になります。
✔ 3. 二次相続も見据えて“分けやすさ”を考える
- 現金や有価証券を一部残す
- 不動産の評価を確認し、将来的な負担をシミュレーション
- 小規模宅地の特例など、使える制度を早めにチェック
→ 相続の全体像を見える化することで、準備がしやすくなります。
📝 まとめ
危険ポイント | 対策のヒント |
---|---|
長男だけが家を相続 | 他の兄弟と事前に話し合い |
家しかないため現金不足 | 一部現金を残す or 他の資産で調整 |
税負担の偏り | 相続税のシミュレーション・制度活用 |
💬 最後に
「家は長男へ」は、伝統や感情面で理解されやすい分け方です。
でも、それが何も対策せずに進められると、
二次相続で“地雷”になる確率がとても高いのが現実。
「分けにくい家を誰が引き継ぎ、どうすれば平等になるのか?」
その視点を持つだけで、家族関係も財産も守りやすくなります。